俺、ケッコンしたからフーゾク行くの辞めるわ。【灰谷蘭】

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うだうだ悩んでても仕方がないと思い、モヤモヤ気分を晴れさせるために出掛けようと試みた。

電車は苦手だから、タクシーを呼んだ。
幸い蘭ちゃんは高収入で、頼んでもいないのにお金をいっぱいくれる。
特に使い道もないし、今までずっと貯金してきていたのだが。
普段頑張ってる自分へのご褒美、と称して今日はいくらでも好きなものを買って、食べていい日にしよう！どんどんぱふぱふー！

大きい都市へ向かえば、人通りは多いけど、たくさんのお洒落なアクセサリーショップ、美味しそうなスイーツショップなどが所狭しと並んでいる。

楽しみだなあ、と浮ついた気分で歩を進める。

ウィンドウに飾られるワンピースが目に留まり、深く考えることもせず引き寄せられるように店内に入る。

これ可愛い、と思い値段を確認する。私が自分で買うような服より０がふたつくらい多かった。

「(これこんなにするの！？)」

手触りの良いタグを凝視して遠い目になる。

そこで、蘭ちゃんが前言っていたことを思い出した。

『別に金に困ってるわけじゃねぇし、寧ろ有り余ってるから好きなことに使え』

それと、

『お前もっときちんとしたブランドの服着ろよ』

と。

お言葉に甘えて有難く買わせていただきまーす！
ほくほくした気分で会計をする。
蘭ちゃんの言い方ははっきり言って凄いムカついたけど、そのムカつきがチャラになった。

そのお店を出てからも色んなお店を巡ってお金を使いまくった。

甘くて色とりどりのスイーツや、女の子らしいお洋服。

若い子達、いわば学生の女の子達ばかりで気後れしたが、そこは目を瞑ろう。

お金持ちの蘭ちゃんに感謝だな、と心の中で蘭ちゃんにありがとうを言って、メープルシロップがたっぷりかかったふわふわのパンケーキを頬張った。

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