10億で反社に買われました。【梵天】

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しばらくして、車が止まった。どうやら目的地に到着したらしい。

窓からまるで天空まで続いていそうなほど高いビルが見えた。

マイキーさんが先に車から降りて、私に向け手を出した。

｢･･･？｣

その手をじっと見つめると、マイキーさんが私の手をとった。

｢俺が、手、出したら、のせる｣

ゆっくり話してくれた内容に、こくっ、と頷く。

マイキーさんが手を離して、再び差し出した。

｢お手｣

そっとマイキーさんの手に自分の手をのせる。

｢せーかい。行くか｣

2人でビルに踏み出した。



｢これ頂戴｣

｢これも｣

｢こっからここまで｣

矢継ぎ早に店員さんに注文するマイキーさん。

どれだけお金持ちなんだ。私なんかに10億出すくらいだから、たぶん相当。

どの服も高級そうで、おそるおそる値札を見れば数字がズラッと並んでいる。

｢(この桁はもはやなんて読むの･･･？)｣

目が回る。

｢じゃ、次の店行くぞ｣

手を引かれ大人しくついていく。


｢これとこれ、どっちがいい｣

2つの鞄を目の前に出され動揺する。

｢ミニショルダーバッグと、ポシェット｣

｢Aならこっちも似合うかなって思うけど、服選びそう。こっちのほうが使い勝手はいい｣

それぞれ上に持ち上げながら解説されても、鞄なんて持ったことがないからわからない。

首を傾げればマイキーさんは｢そっか｣と呟いた。

｢(失望させちゃった･･･？私がどっちが良いかも選べないから･･･。)｣

｢じゃ、どっちも買う｣

｢！？｣

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