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「あ、じゃあ書く?」
「・・・?」
「おい、お前紙とペン持ってこい」
近くにいた男の人にそう命令した。
しばらくして、真っ白な紙と、ペン?が用意された。
マイキーさんがおもむろに、私にペンとやらを握らせる。
「名前、書けるか」
名前なんてないし、字も書けないの。
必死に私とコミュニケーションをとろうとしてくれる彼がいたたまれなくなって。
同時に、一般人が当たり前にできることが出来ない私が情けなくて。
ぽた、と1粒水滴が零れ落ちた。
1回泣いたらもう止まらなくて、涙がとめどなく溢れてくる。
「ごめん、やだったよな」
涙で少し湿った紙を脇に寄せて、マイキーさんがお世話係さんを呼んだ。
違うの、自分がやなの。
ほんとは、マイキーさんに落札される前から。ずっと嫌だった。
・・・・・・何が?
・・・生きることが。
日々食いつなぐことで精一杯。
特技もないし、教養もない。
最低限の、識字すらできない。
静かに涙を流す私に、マイキーさんとお世話係さんはずっとそばにいてくれた。
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流華 - 続きが見たい! (1月6日 19時) (レス) @page1 id: bd1d67c365 (このIDを非表示/違反報告)
真華 - 気になりすぎるんだか!?続きがみたい!!! (9月5日 22時) (レス) @page25 id: b384134ed3 (このIDを非表示/違反報告)
ただのオタク☆(プロフ) - 面白かった…!一気読みしてしもた…なんか続き気になる終わり方… (2023年2月7日 11時) (レス) @page25 id: f4bc07de09 (このIDを非表示/違反報告)
レモン - 面白かったです‼️ 続きが気になる〜😆応援シテマスッ😆 (2022年10月2日 11時) (レス) @page21 id: 97f09e59d6 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - めっちゃ好きです!応援してます (2022年8月29日 23時) (レス) @page16 id: 32b5efbdad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:甘宮 | 作成日時:2022年7月30日 12時