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「三途、下がれ」

「・・・ウッス」

ピンク髪の人は、そう返事をして出ていってしまった。

2人きり。

広い部屋に、デスクと、背もたれの長い椅子が置いてあり、床やデスク上に書類が散らばっていた。

置いてある家具は少ないが、一々調度品や小物が高級そうだった。

「久しぶりだな、覚えてるか」

「・・・?」

「・・・・・・いや、なんでもない。・・・。お前のこと10億で競り落としたの、俺」

小さく頷いてみせる。

「お前、名前は?」

「・・・・・・」

「なんで喋らない?俺が、怖い?」

怖い、確かに怖い。けど、喋らずにこの人の機嫌を損ねる方がもっと怖い。

でも。

「・・・・・・」

ずっと黙りこくっている私に痺れを切らしたのか、ずいっ、と顔を近付けた。

「!?」

そしてそのまま流れるような動作で、私の唇にキスを落とした。

「!?!?!?!?」

ズザザ、と驚いて飛び退く。

「初めて?」

初めてに決まってるでしょ!?

そう言いたかった。

顔が、火が出そうなくらい熱い。

それでも口を開かない私に、少し眉を下げて、その人は言った。

「お前、落札されたときから梵天(ウチ)のペットだから。

・・・喋ったら、俺の妻に昇格させてやるよ」

「!?!?!?!?」

意味わからないし、
どっちも嫌なんですけど!?!?!?


「あ、言い忘れてたけど、俺は佐野万次郎。マイキーって呼べ」

そして、マイキーさんは妖艶に笑った。


「(でも、マイキーさん(?)、の妻になれば、スラム街生活とはおさらばかな?おいしいもの、たくさん食べられる?)」

贅沢三昧の暮らしに目が眩む。(妄想)



でも、この条件なら、私はきっと一生妻にはなれない。
贅沢なんて、死んでもできないのだろう。






だって、私は_________













声が出ないのだから。

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流華 - 続きが見たい! (1月6日 19時) (レス) @page1 id: bd1d67c365 (このIDを非表示/違反報告)
真華 - 気になりすぎるんだか!?続きがみたい!!! (9月5日 22時) (レス) @page25 id: b384134ed3 (このIDを非表示/違反報告)
ただのオタク☆(プロフ) - 面白かった…!一気読みしてしもた…なんか続き気になる終わり方… (2023年2月7日 11時) (レス) @page25 id: f4bc07de09 (このIDを非表示/違反報告)
レモン - 面白かったです‼️ 続きが気になる〜😆応援シテマスッ😆 (2022年10月2日 11時) (レス) @page21 id: 97f09e59d6 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - めっちゃ好きです!応援してます (2022年8月29日 23時) (レス) @page16 id: 32b5efbdad (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:甘宮 | 作成日時:2022年7月30日 12時

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