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そしてマンションのエントランスを抜け駅へと歩き出そうとした時、植え込みのコンクリート部分に一人の男性が座っているのが目に入った。少し俯き加減で腰掛けている姿は怪しげで、酔っ払いかと思った私はさっさとやり過ごそうと足早にその男性の前を通り過ぎようとした。その時……
「待って！」
「ッ！？」
通り過ぎようとした瞬間に、男性がガバッと顔を上げて私の腕を掴んできたのだ。私は余りの驚きと恐怖で声が出なかった。だけど掴まれた手を振り解こうとありったけの抵抗をしてみせた。
「ヤッ！ 離して！！」
「わっ！？ ちょ、落ち着いてA！ オレだよ！」
「え？」
名前を呼ばれて私は抵抗する力を弱める。そしてゆっくりと男性の方を振り向くと、そこには……
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作者名：悠貴 綾
| 作成日時：2017年2月22日 21時
