Always to your side (ページ11)

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　そして私はそのまま休憩室ではなく、チャンミンさんの所属する『企画・開発部』へと足を向けていた。本当は就業時間後に出向こうと思っていたけど、チャンミンさんの就業時間が分からなかったのでこの休憩中にハンカチを渡しに行こうと思ったのだ。
　私はエレベーターで『企画・開発部』のあるフロアに昇ると、チャンミンさんがいるであろう部屋のドアの前までやってきた。普段、社内の各部署を案内する事はあっても、自分自ら……しかも私用で赴く事になるとは思いもしなかった。
　軽い緊張感を感じながら、私はゆっくりと深呼吸をして『企画・開発部』と書かれたプレートのあるドアをノックする。そして返事を待たずゆっくりとそのドアを開けた。中では数名の従業員が各々動き回り、皆ドアを開けた私を意に介していないようだった。
　私がチャンミンさんを探すべくフロア内に視線を巡らせていると、業務をこなしていた一人の男性が私の存在に気付いて椅子から立ち上がった。そしてゆっくりとした歩みで私に近付いてくる。

「えっと……何か？」
「あ、お仕事中すみません」

　男性はそう云いながら、チラリと私の首から下がっている社員証が入ったストラップに視線を移す。社内の者だと分かったからか、余り警戒されずに済んだけど男性の目から不審そうに私をうかがう色は消えなかった。だけど、私は軽く会釈するとここに来た用事を切り出した……

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