転生前 ページ43
釈迦如来
「天国での生活は如何です?」
白の着物を着ている少女(後のAA)は蓮池を静観している。
釈迦如来は手にしている閻魔帳の内容を、一部抜粋した複数枚の紙を手にひとつひとつ読み挙げる。まるで賞状のように。
人生記録は実に名誉な事があった。
しかし、少女の顔色は灰色のままだった。
灰色と云うと語弊だ。少女の気分はさほど悪くないし、未練は有ってもサッパリとしている。
細かいことを云うと
これからである者、世間で云う所のZ世代である少女は前世でなりたい職業になれなかった。いわば中途半端。
少女は真剣に小説家になろうと思っていたのだ。
そんな時にあるキッカケで終わってしまった。
そう、事故だ。
しかし、少女は先程の通りにサッパリしている。
一般なら地縛霊とかになり、陰陽師や僧に世話になる可能性があった。
それには此の世界の者達が云う、特例だ。
ただの事故ではない。
釈迦如来が最後の文を読み切ると別の如来が来た。
薬師如来だ。
薬師如来は少女の隣にしゃがみ微笑んだ。
薬師如来
「参拝しに来てくれてありがとうございます。お礼に薬学を教えます。」
次に弥勒菩薩、不動明王、阿弥陀如来、地蔵菩薩などの少女を弁護した方が次々と…
少女(めっちゃ、お偉いさん来る。参拝して良かった。)
やがて囲う形になってしまった。
不動明王
「進む志を持ち続けるのは良い。」
地蔵菩薩
「供えの時は頭から水をかけるのは合っているけど、貴方の弟は一度の供えに50回以上も水かけを繰り返しかけています。善意なのはわかるのですが」
弥勒菩薩
「考えの中で思ったのですが、貴方の考える救い方も一理ありますね。」
観音菩薩
「小さい時から優しさは変わらないですね。慰める気持ちは良いですよ。」
「知識を徳に使うのは素晴らしい。今後もする気があるとは。頑張ってください。」
文殊菩薩
「知りたい事が有れば答えましょう。」
勢至菩薩
「迷い事が有るでしょうか?ゆっくりでいいです。打ち明けてご覧なさい。」
勢至菩薩がそっと少女の前に座り手をとる。
カウンセラーの勢至菩薩
威光の王の不動明王
母なる方の観音菩薩
時期救世主の弥勒菩薩
知識の巨匠の文殊菩薩
苦の取り屋の地蔵菩薩
理性と感情の普賢菩薩
医者の長の薬師如来
極楽の主人の阿弥陀如来
此の世界の元の釈迦如来
以上、10の方。
彼等も10の王と同じく少女の幸福を願う者。
転生まであと3日
相棒→←森「(私が云うのもあれだが)君、倫理と云う言葉を知っているかね?」悪七「道徳ですね。でも貴方様を殺そうとしたあの男の○○を○○して、○○したいです。」
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作者名:柳玲霊鑑 | 作者ホームページ:http://be moon
作成日時:2021年10月24日 22時