とある詐欺師2「福沢諭吉様から何故か構われているけど、何で？」 (ページ36)

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エドガー「ある小説を読みたいのである」ページ36

エドガーside
　扉が開く。
来たのは乱歩(宿敵)ではなく、乱発が強制的に以前一緒に推理した男だ。
当時は警察として来たが今日は私服の姿だ。
あの問題は解いたのか。
彼、AAはカンニングをしたから違うと云った。
　年齢問わずに丁寧な口調で優しい彼は吾輩が乱歩との推理バトルに敗れた時、慰めるより褒めていた。
そうとう褒めた後、Aは本を読み始めた。
チラリと背表紙を見ると『予言書』と書かれていた。
題名の通り、内容は予告だ。
乱歩に会う前に少し読んだ事がある。
カナダの馬小屋、ミランダ城、奈良ドリームランドなどは廃墟になると書かれていた。
当時は真に受けず、戯言だと評価されていたが、不思議な事に書かれていた内容は全て的中。また、どのように廃墟になって行くかはしっかりと書かれていて其の通りに、まるで交通ルールを守る車のように外れなかった。
作者は未来から来た人ではと噂が流れ、遂にニュースで『予言書』は話題になって週刊誌、新聞にはお勧めの本と大きな見出しになった。
経歴を確認すると、此の本は作者が小学生の頃に書いた物だと。
実際、当時のモノクロ写真で直筆で此の本と同じ内容が書かれていた。
此の事が分かったらまた話題になった。
『予言書』は大ヒットした。
作者は他にも書いていて、子供小説、推理小説などがある。
吾輩は推理小説を読んでみた。
非常に凝った小説で読み応えある、ハラハラするクオリティの高い作品であった。
此れも作者が小学生の頃に書いた小説であった。
気に入った。我が輩は作者名を確認した。
ウェルテル
握手会には出ないが問題付きのサインが貰える。
ネットで購入した。
　予言書に関する話題をAに挙げると弾み、本の仲間になった。
彼は警視総監で推理小説を愛読。
たまに我が輩が執筆した小説を読みたいとお願いしに来る。
気に入ったら繰り返し読むと判った。
ただ本人に直接、真っ向からの称賛や撫でる行為は心体的にくるものである。嫌では無いではあるが、むず痒い。