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店は格が違った ページ17

オー・メルベイユ・ドゥ・フレッド

筆記体の金色のアルファベットで黒看板によく映えている。
内装はゴージャスなシャンデリアに黒の気品のある螺旋階段(らせんかいだん)
パリに来たような気分を味わえる店だ。
メニューもパリをイメージした品揃えだ。
 私はメレンゲ菓子をアルチュールはアイスコーヒーを注文する。
こうしてゆっくりいるの取り調べ室ぶりかな。
警察は労働組合なんて無いから忙しい。
アルチュールの繊細な長髪を見る。
自然科学がつらつらと頭脳に情報の滝が流れる。
学の能力が前世より転生特典で格段にパワーアップしてると感じる。


神楽坂の静けさ
鳥の鳴き声
流れるからっ風
鳥の鳴き声
行き交う人達
鳥の鳴き声
光が薄い
窓の方を見る


 鳩が歩道を埋め尽くしていた。

ポッポー!?
鎌倉だよな。鳩が沢山いるの。
何故新宿?
店員さん達も驚愕してるよ。
入り口から出たくても出られない程だよ。
兎に角どうにかしなければ。

店長さんが通報して今警察達がどうにかしている。

アルチュールは無言で其の様子を見ていた。
アイスコーヒーとメレンゲ菓子が届いた。
コーヒーを飲んでる時もアルチュールは鳩に視線がいっていた。
逃げないポッポを箱を持つようにトラックの中に入れる。
宅配や引っ越し作業しているみたい。
店員さんは笑い乍ら滝廉太郎作曲の鳩ポッポを歌う。


数十分で道が通れるようになった。

 鳩事件から解放されてアルチュールに「鳩はフランスに居るの?」と訊く。
肯定が来る。
駄目だ。
多量の鳩のせいで鳩の情報しか出てこない。
他の話題が思いつかない。
店員さんの鳩ポッポのアカペラが頭の中繰り返す(ループ)
また「行きたい所は他に無いですか?」と問う。
アルチュールはパンフレットを見て「Aは?」と訊く。
駄目だ。まだ鳩がウロウロしている。
A「今のところ無いですね。」
もう済んだら帰ろうか?
行動を考えていると、「A様!」と後ろから女性の声がする。
振り返ると部下4が微笑み乍ら駆け寄るが転けた。
すぐに立ち上がりペコリと頭を下げる。
彼女は4ヶ月前警察になった19歳の若手だ。
溶け落ちそうな白く優しい肌が特徴で警察内では謙虚で誠実だと評価されている。
部下4「えっと…其方の女性…真逆」
アルチュールの顔を見て云う。
否、アルチュールは確かに髪は長いが男性だ。
訂正を入れる前に部下4は「奥様でありますか!」と天使が大きく祝福するような声で云った。
あ、また始まる。

東京 サ○リオ→←アルチュール「ニート?のままは嫌だ。」



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作者名:柳玲霊鑑 | 作者ホームページ:http://be moon  
作成日時:2021年10月24日 22時

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