Re:疲れてしまったあなたへ《赤》

(^ワ^=)【リクエスト】 ページ41

〆．



「世話焼きで小言の多いおかんと、一人でやってのけたいし干渉されたくないA。いかにも相性悪そうやん？」



「じゃあ、仲良くするのは難しい？」



「無理に仲良くするんは見てて気持ち悪いから、まあそうやな？難しいし、せんくてええと思うで？」



「絶対に顔合わせるから喧嘩しないのは無理かもね」



「ははは、せやな。あそこで本音言い合えるならそれはそれでええんちゃう？」



なんでこんなに楽しそうなんだろ。



私が不満げな顔をしていることに気付いたお兄ちゃんは、



その理由をすぐ思いついたみたいで、説明を付けた。



「前の俺を見てるみたいでおもろいねん」



「え？前のお兄ちゃん？」



「いわゆる反抗期の俺な」



懐かしむような瞳。



「親がおらな右も左もわからんかったくせに、一人でなんでも出来る気がして、家出して。Aは修学旅行とか行ってたタイミングやっけな。知らんはず」



「知らなかったよ……」



「別にどっちが悪いとかやないねん。つい自分の感情を優先してもて、ぶつかっただけ。ちょっと激しい討論みたいなもんやな。俺もおかんも意見やなくて気持ちぶつけてたけど」



今ならおかんの味方するわ〜って。



「人生の先輩には逆らわん方がええって学んだ瞬間やったわ。げんこつ食らってようやく大事なことに気付いてん。いつだって気付くのは後。



ただ、別におかんも完璧な人間やないから間違うことはあるし。どっちが正しいとかないかもしれんけど、Aの方が適切な対応してることもあるんよ」



「………………………」



「親子に上下関係があるなんておかしいねんで？やから、俺はAとおかんの喧嘩とか聞いてて楽しいけどな〜。どっちの言い分も納得してまうねん、おもろいわ」



ひゃひゃひゃ、って。



「………謝らなきゃいけないのかな」



「Aが自分に非はない思うならせんくてええやろ。せなあかん、って思ってるんならせんとき。したいと思う時だけ謝ったらええんよ」



謝らなきゃいけない………



謝りたい………



「……いや、別に謝りたくはない。私は思ったことを言っただけだし」



「さすが」



いつの間にやらすっかりくつろぎモードのお兄ちゃん。



ゴロゴロ転がってるし。



「自分の気持ちは大事にしときや、それがマイナスな感情でもな」



やけに上から目線のお兄ちゃんを、



ちょっと蹴飛ばしておいた。



「なんで！？！？」



〆．

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