Re:疲れてしまったあなたへ《赤》

42.悩みを吐き出せないあなたへ ページ36

〆．



友達の態度に悩んでいた。



簡単に言うと、仲良くしていた友達が最近なんだか素っ気ないんだ。



最近………って言っても、2、3日前くらいからだけど。



いつもメッセージアプリで絡んでくれるし、会ったら手を振ってくれるのに、それもなし。



「はあ………」



こういう時は公園でぼーっとするに限る。



「A〜」



「、」



名前を呼ばれてそちらを向くと、友達の重岡大毅が駆け寄ってきた。



「見てや、お菓子めっちゃ買うてもーた！一緒に食わん？」



「ああ、うん」



「…………………ここに来るなんて、何かあったんやろ」



ドキ。心臓が跳ねた。



「悩みあんなら聞くで？」



「……………………………」



「ほら、もやもやしてんねやろ？俺が解決策一緒に考えたるやん！でも言うてくれなわからんし？」



「……………言いたく、ない」



「…………ほぉーん？そうか？」



沈黙が訪れる。



せっかく私のために聞いてくれようとしたのに、



いつもこうやって人の優しさを踏みにじってしまう。



「……………ごめん」



「んえ？何がぁ？」



ボテトチップスをむさぼる大毅は、気にしてないかのように軽い返事をした。



「せっかく聞いてくれたのに」



「あはは、なんやぁ。別にええやん？無理に話さんでも」



ペットボトルの炭酸飲料を豪快に喉へ流し込み、ぷはぁと満足気な声を出す。



「好意を断られるのは確かに寂しいけど、やからって気ぃつかって話す必要ないで。お互い、不本意やんけ」



ほい、と渡されたのは私の好きなお茶。



「ただなぁ…………自分が溜め込みがちな性格なん、わかっとる？見てて不安になるんよ、やから声掛けてまう」



「だって、誰かに言って後悔するのは自分だもん……。話した後に、相手に気負わせちゃったかもとか。変な目で見られたかもとか。



どうせありふれた答えしか返ってこないんだろうな………とか。ごめんね、ひねくれてて」



「謝らんくてええって。そう考えてまうんもしゃあないし、それはAの優しさや」



「優しさ？」



〆．

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