Re:疲れてしまったあなたへ《赤》

(^ワ^=)【リクエスト】 ページ11

〆．



「今日は近くの席の人とペアワークしてもらいます」



え。



そういえば、この授業はコミュニケーション重視の授業だった。



今までは隣にいた彼女とお喋りしていたけれど、今日は……



「んひ、よろしくな！」



「よろしくお願いします、」



笑顔が眩しい男子生徒。



良かった、良さそうな人。



「じゃあ、15分まで話し合ってください！」



先生の声とともに、一気に騒がしくなる教室。



「俺、重岡大毅いうねん！君、めっちゃ見かけるから気になってて。いつもの子は、休み？」



「あ、え、あ、藤井Aです。いや……あの子、辞めちゃって。大学」



「え！そうなん？それは寂しいな……なんかいろんな講義被ってるけどさ、前まであの子とずっと一緒やったやんか？」



「まあ………そうですね、サボっちゃダメだよ〜とか言う相手がいなくなっちゃって。物足りないし、心細いし」



他に友達がいないわけじゃないけれど、やっぱり一番の仲良しだったから。



「……堅苦し！俺のことはしげ、でええよ。どうせ講義被りまくりやし、俺やったらその子の代わりになれへんかな？学科ちゃうけどさ」



「え、」



「友達がおらんとか、おっても一人で行動するやつとか、大学にはよぉけおるからな！一人やからどうとか、友達おるからどうとかは小中高ほど周りも先生も気にしやんやん。



でも、心許せる友達がおるに越したことはないやん。やから、俺と仲良しになろ」



授業内容とは全く関係ない話を続けてるのに、



授業よりも大事な時間を過ごしてる気がする。



「………じゃあ、しげ、よろしくね？」



「おお！よろしくな、Aっ」



しげが彼女の代わりだなんてなるわけないけれど、新しい友達として、親友と呼び合えるまでになれたらいいな。



その日の出席カードには、『コミュニケーションの時間に新しい友達ができました』と記入した。



〆．

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