疲れてしまったあなたへ《赤》

(^ワ^=)【俺side】 ページ45

〆．



今日は学園祭当日。



俺らのクラスは縁日みたいな感じで、射的や輪投げ、ヨーヨー釣りにくじ引きなど、



各コーナーにたくさん子供たちが溢れかえっていた。



大盛況、満員御礼！



「おっ、いけいけいけ！よっしゃー！！」



みんなとはしゃいで、盛り上がって、めちゃくちゃ楽しかった。



やけど、ふと別のコーナーでヨーヨー釣りを担当しているAの方を見てみれば、



「あっ………す、すごいね！私なんてすぐ落としちゃうんだよ〜…」



ぎこちない笑いで子供らに応対してて、正直楽しくなさそうやった。



人見知り？緊張しい？



首を傾げるものの、それで解決はしない。



「おっ、赤色のヨーヨーやな！俺、赤色好きやねん！」



二人の間にしゃがみこむと、Aは目をまん丸にした。



………なんやなんや、泣きそうやん！？



好きな子のそんな顔、心配するに決まってる。



「また来てな〜！！……………A、休憩行こか？」



「………………………」



気分が悪いんやろか。



人気のない場所へ連れ出すと、Aは「ごめんね」と呟いた。



「どうかしたんか？」



「………私、小さい子、苦手なの。接し方もわからないし、声大きくて怖くて……。引いたよね。ごめん。それだけだから、気にしなくていいよ。重岡は小さい子好きだもんね、なのにこんなこと言ってごめん、嫌な気持ちにさせたと思う……本当にごめん…………」



早口で並んだ言葉に、ハッとする。



この世界の人間はみんな子供が好きやと思ってたけど、



すらすらとこんな言葉が出てくるってことは、Aはもうずっとずーっとその社会的な固定概念に苦しめられてきたんやないか、って。



「……んな謝らんくてええやん？そういう人やっておるんやーってわかったから！むしろ勉強や、ありがとう！」



ぽんぽん、頭に手を乗せると、Aは完全に俯いて泣き始めた。



そぉか、苦手なんか……。



「無理する必要ないし、ビラ配りか裏方かに回ってくれて大丈夫。なんなら休んどき？



でももし頑張れそうなら、俺と一緒に相手しよ！俺、好きな子と学園祭楽しむの夢やってん。叶えるために協力してや」



「、」



言うてもた(笑)



またしてもびっくり顔のAを愛しく思いつつ、



勇気出して、正直に教えてくれて、ありがとう、って気持ちでいっぱいになった。



〆．

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