疲れてしまったあなたへ《赤》

(^ワ^=) ページ35

〆．



「一回、今までの人生で当てはめてみ？」



「えー…」



例えば中学に上がる時。



親に反抗して、受験せずにみんなが行く中学へ進んだ。



あの時頑張って受験していればもっといい大学に入れて、就活もそんなに悩まなかったのかなぁと後悔はしている。



「そのエピソードやとすると、Aが進学校に入るために中学受験する人生なんか最初っから無かった、て思えばええねん」



「はあ……」



「一択しかない人生を歩んできたのに、後悔もくそもないやろ？」



「まあ………でも後悔はするよ」



「ちょっとくらい和らがん？」



「確かに、自分の選んだ道を肯定されてる感じはする」



「自己肯定感やな！」



後ろを見るんは思い出振り返る時だけでええ、としげは笑った。



「後悔するんも、時には必要や思うで？そら、悪いことした時とか。でも事実は変わらん。やから心変えたらええんや。て、心変わるんも運命やけどな？」



「やっぱ難しいこと言うよね」



「ええ？わからん？悩まんでええよ、って。会社の、諦めた方を将来また夢見るなら転職したらええ話やしな」



「うーん……」



「なんならそっちの方がたくさん味わえてええんちゃう？」



「……しげは決まったの？」



「え、俺まだ何も始めてなくてせんせーに怒られてる」



「一気に言葉の重み消えたわ」



「んはは！！しゃあないやん！俺の人生の予定ではまだ就活の時期じゃないねんもん」



「………社会のごみにならないようにね」



「はぁーい」



でもまあ、後悔も必ず通る道なら、



経験したっていいかもね。



「………ど、ち、ら、に、し、よ、う、か、な、」



「すげぇ決め方やな」



「そう選ぶって決まってるの」



「お、さすが！」



〆．

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