疲れてしまったあなたへ《赤》

(^ワ^=)【リクエスト】 ページ23

〆．



「A、一回目ぇつむってみたら？」



「え？」



約束通りに昼休み、わざわざ私の席まで来てくれた大毅くん。



てっきり教室内で食べると思っていたけれど、そのまま手を引かれ、人のいない中庭のベンチへたどり着いた。



そうして二人揃っていただきますをしたあと、数口分お箸を動かしてのんびりしていたらそんなことを言われた。



「目を？」



「そ」



どういう意味かわからず、とりあえず言う通りにしてみた。



「はははははは！！！！ちゃうちゃうちゃう！や、合ってんねんけど、」



えー。



何を間違えたんだろう？



「物理的やなくて、精神的に？ほら、Aは周りのこと見すぎやねん」



「んー…？」



「みんながしてほしいこと、すぐ察知するし。気づいてほしいこと気づくし。



確かにええことやしこっちは嬉しいけど、Aはしんどいやろ？」



「そんなこと、」



「ある。やってA、楽しそうやないもん」



「え！？」



無意識に、人から頼られるのを嫌がっていたってこと？私が？



「ま、多分俺くらいしか気付いてへんとは思うけど〜。ほんま、頑張りすぎやで？もっと気楽に行こや。多少鈍感でもええやん」



「…………………………」



「Aのやっとうこと否定するつもりはないし、寧ろ尊敬する。でも、息抜きも必要やろ？一回目つむって、あほになってみたら？」



ぽん、と温かい手が頭に乗っかった。



「あほ、に」



「そ！今まで気付きすぎたくらいやし、たまには休みや。人のこと考えんとさ。難しいなら、俺とおる時だけでもええし」



な？と微笑んでくるから、頷いておく。



「俺には気ぃ遣わんといてほしいねん」



ちょっと照れくさそうに言ってくれるのが可愛くて、



「お言葉に甘えて。大毅くんだけ特別ね」



そう返しておいた。



「お、俺だけ？」



「大毅くんといる時だけでもいいんでしょ？」



「あっ、えっ、でも特別ってことは、ほら、」



「ふふ、動揺し過ぎだから」



〆．

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