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(^ワ^=)【リクエスト】 ページ17

〆.



「じゃあな」



「、待っ……」



行かないで。



それが声になることはなくて、私は暗い世界の中に倒れた。



「…………………!!」



好きなのに。



大好きなのに。



「…………おい、起きろ!」



「、!?」



大きく肩を揺さぶられ、視界いっぱいに大毅先輩の顔。



「……はあ、お前さぁ。どんなけ元カレにとらわれてんねん」



「す、すみませ…」



「俺の家におって、俺が隣におるんやろ。俺の夢見ろや」



「へ、」



ぬらしたタオルで汗を拭いてくれる先輩。



「夢の中でまで苦しんどる姿、見たくないねん」



舌打ちとともにかけられた言葉は、私の体温をじわじわと上げていく。



「先輩、」



「わかったならこれ飲め」



「あ、え、りんごジュース……?」



「好き、やろ」



ドキッとした。



好き、が私に向けられた先輩の感情だと一瞬勘違いして。



「好き、です」



「…………………あ、そ」



確かにいつも飲んでる。好き。



それを先輩が知っていたというのは驚きだけれど。



たまたまじゃなく、確証を持って出してくれたんだ。



「あの、」



「なんやねん、飲んでから喋れ」



「あ、はい。いただきます…」



先輩って。



もしかして。



「…………似てます」



「は?何が」



「彼に恋してた時の私に」



「…………は、はあ?」



好きな人の好みを把握して。



素直になれずに、でもなんかわかんないけど感情がだだ漏れで。



そして、顔を真っ赤にしてしまうところ。



「図々しいお願いですけど………先輩。彼のこと、忘れさせてくれませんか」



「はっ、?!」



「まだ彼が心の中にいて、苦しいんです。忘れたつもりだったのに、いつだって頭の片隅にいるんです」



震えた声を、大毅先輩は拾って受け止めてくれた。



「しゃあなしや、そいつのこと1ミリも思い出せんくらい、俺でいっぱいにしたる」



「え、そこまでは望ん…」



「ええから俺に惚れろや、先輩命令!!」



半分ほど余っていたりんごジュースを強引に私の口に流し込み、



「………やっばい妄想してもた」



と顔を伏せた大毅先輩に、



はやくも心傾きかけてしまったのだった。



〆.

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設定タグ:ジャニーズWEST , 重岡大毅   
作品ジャンル:恋愛
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一波(プロフ) - リクエストに応えて頂きありがとうございました!今気付いて、すっごく嬉しかったです!日常をがんばってる自分が救われた気がします(^^)素敵なお話ありがとうございました! (2019年7月11日 4時) (レス) id: 9b260c34a2 (このIDを非表示/違反報告)
葉菜(プロフ) - 突然リクエスト失礼します。不登校で家で自力で英語ワークを解いていてつい何分か前に解けたのに次解こうとしたら解けなくてイライラして自己嫌悪してしまうお話お願いします。重岡くんは年上設定でお願いします。そして移行おめでとうございます! (2019年6月19日 14時) (レス) id: d212940233 (このIDを非表示/違反報告)
りょーくんえいたー(プロフ) - はゆな様、移行頑張ってください! ほんとうに心の支えとなり助けてもらいました! はゆな様は私のヒーローです笑! 頑張れです! (2019年6月19日 7時) (レス) id: 0630fea27c (このIDを非表示/違反報告)
すぴん(プロフ) - ESも面接も…私の気持ちそのままのようで。こう考えたら良いんだ!って楽になりました。悩んでいる感じが私にも当てはまりました。重岡くんの言葉は本当にありがたいです。ありがとうございます。 (2019年6月19日 0時) (レス) id: f7fd1c07dc (このIDを非表示/違反報告)
ほにゅるん(プロフ) - はゆなさん、リクエストにお答え頂きありがとうございます。読んだ時に先生の怒り方の雰囲気が似ていて思い出しました。『責任感の強さ』という所で実際先生がそう思っていたんだろうなと思いました。しげの言葉の温かさが伝わってきて涙が出ました。 (2019年6月17日 1時) (レス) id: 79c800983c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はゆな | 作成日時:2019年5月26日 12時

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