センセーの先生 ページ47
聞き違いだろうか。
もう歳のせいで耳が悪くなったのだろうか。
今、本部に同行しろと言われた気がする。
「えーーっと、俺？」
もしかしたら俺の事じゃない可能性も……。
なんて考えながら確認すれば。
「貴方です」
はっきりと断言された。
これは、断っても良いのだろうか。
一応任意同行のはず……。
しかし、断った事を理由に今後不審人物とかとして
マークされたりして……。
「何か行けない理由がおありですか？
もしくはこの先の島に重要な用事が？」
任意同行というなの強制連行じゃねェか。
この先の島に重要な用事、
強いて言うなら平和な観光旅行癒しという用事が。
出来れば行きたくない、いや、絶対に行きたくない。
しかし、断る正当な理由が見当たらない。
どうしたものかと俺が悩んでいると、
渡し板がギッと音を立て、渋い男の声が響いた。
「アイン、何か問題があったのか？」
「先生！いえ、ただこちらの方が、
海賊を１人で全員倒したとの事でして……」
「その男が全て１人でか……‼⁉」
先生と呼ばれた人物を見上げるも、
逆光でその顔はよく見えない。
しかし、今の声と雰囲気だけで十分誰だかわかった。
「ゼファー先生……」
そこに立っていたのは間違いなく、俺の恩師だった。
先生は俺の事を見ると、
驚いた様に目を見開いてからニヤリと笑う。
「A、お前こんな所にいたのか」
俺の記憶の中の姿より歳を取ったものの、
その笑い方は昔と変わらない。
「お前はあんまり見た目が変わらないな。
元気そうで何よりだ……‼」
俺の前まで歩み寄ってきたかと思うと、
肩をバシバシと叩かれる。
「先生も、あまり変わりませんね」
そう言いつつ、俺はチラリと先生の右腕を見る。
そこには人の手の代わりにごつい機械製の腕があった。
「お前が辞めた数年後にな、海賊にやられた。俺とした事が、情けない話だ……」
そう語る先生の瞳はどこか遠くを見ていて、
隣にたつアインさんも視線を下に落とす。
「先生は今何を？
見た所、教官という訳ではなさそうですが……」
「俺は今、自分で組織した海賊遊撃隊を率いている」
その歳で、腕に大きな傷を抱えても、
まだまだ現役という訳か。恐ろしいな。
「しかしお前、まだまだ現役でいけるんじゃないか？
俺の部隊に入る気はないか？」
「Hahahahaha……」
流石にそれは勘弁して欲しい。
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朮’(プロフ) - 春風駘蕩さん» コメント有難うございます！おっと、それは誤字ですね。しれっと修正を。 (2022年2月21日 2時) (
レス) id: e4a009835c (このIDを非表示/違反報告)
春風駘蕩(プロフ) - 好き！好きだけど待って！６ページ目の五行目！殺ってどした！？怖い！でも好き！大好き！ワクワクが止まらないぜ！ (2022年2月17日 17時) (レス) @page6 id: 7ec3b8ebfc (このIDを非表示/違反報告)
朮’(プロフ) - ジャスミンさん» コメント有難うございます！頑張って続き書きます！！ (2021年1月13日 15時) (レス) id: e4a009835c (このIDを非表示/違反報告)
ジャスミン - めっっっっちゃ好みの漫画だった…！！久しぶりに会ったです！こんないい小説！！続き待ってます(*≧∀≦*) (2021年1月13日 11時) (レス) id: 7075aafa78 (このIDを非表示/違反報告)
朮’(プロフ) - チヒロさん» コメント有難うございます！そうですね、そろそろですね。自分もワクワクしながら書いてます！応援有難うございます！！ (2020年12月10日 16時) (レス) id: e4a009835c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：朮’ | 作成日時：2020年11月19日 23時
