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砲弾が空で弾けた瞬間、
月歩で爆発そのものに巻き込まれるのは回避したが、
流石に爆風を回避するのは無理がある。
爆風のせいで随分と王宮の西方に吹っ飛ばされた。
何とか上手く着地をして、
手に握ったままだった斑霧と叢雲を鞘に収める。
「しっかし、ここは住宅地じゃないな。
何かの遺跡というか、神殿か？」
あたりを見回せば民家とは思えない、
何とも仰々しい建造物が並んでいる。
マントの砂埃を払いつつ、あたりを見回していれば、
ポツポツと雨が降り始めた。
雨足は次第に強まり、
本降りになるのにそう時間はかからなそうな気配。
さっさと広場の方に戻ろうと歩いていると、
１つの柱に背中を預けて座る人影が見えた。
国王軍や反乱軍という見た目ではないが、
少なくともその人物がかなり弱っている事は
遠目でも何となく分かった。
こんな人気のない所に放置して行くのも何なので、
ここに飛ばされたついでだと思い歩みを進めると
「あァ、こんな所にいたのか」
その人影は、ニコ・ロビンだった。
クザンに連絡をした時にクロコダイルと共に
この国で目撃されていると話には聞いていた。
だからこの国のどこかにはいると思っていたが、
まさかこんな所にいるとは……。
「あなた、何者……？
政府の役人––––って雰囲気ではないわね……」
よく見れば肩の所に傷を負っており、
急所ではないがかなり深い様に見える。
俺を睨む様にして見上げる彼女は
８歳当時に出された手配書の面影が強く残っている。
「聞いた話だと、クロコダイルに加担してたらしいが
今はどういう状況でここに座ってるんだ？」
肩の傷はチビ助がクロコダイルにつけられたそれに
随分と形が似ている様に見える。
銃創でもなく、刀や剣で貫かれたものとも違う。
「ふふっ、クロコダイルに裏切られたのよ」
自嘲気味に笑う彼女は、
何というか生を諦めたような投げやりな様子だった。
「それで、これからどうするつもりだ？
海軍に自首でもするか？」
もしそうなのであれば、
真っ先にクザンに連絡くらいはする。
オハラの一件以降、
あいつはニコ・ロビンを個人的に追っていた。
それは捕らえるためとかではなく、
その動向をまるで見守るかのようだった。
10年前に俺が海軍を辞めた当時から、
おそらく今に至るまでそれを続けているのだろう。
「捕まる気はないわ」
捕われるつもりはないと言うが、
その瞳に希望の色は見えなかった。
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朮’(プロフ) - 春風駘蕩さん» コメント有難うございます！おっと、それは誤字ですね。しれっと修正を。 (2022年2月21日 2時) (
レス) id: e4a009835c (このIDを非表示/違反報告)
春風駘蕩(プロフ) - 好き！好きだけど待って！６ページ目の五行目！殺ってどした！？怖い！でも好き！大好き！ワクワクが止まらないぜ！ (2022年2月17日 17時) (レス) @page6 id: 7ec3b8ebfc (このIDを非表示/違反報告)
朮’(プロフ) - ジャスミンさん» コメント有難うございます！頑張って続き書きます！！ (2021年1月13日 15時) (レス) id: e4a009835c (このIDを非表示/違反報告)
ジャスミン - めっっっっちゃ好みの漫画だった…！！久しぶりに会ったです！こんないい小説！！続き待ってます(*≧∀≦*) (2021年1月13日 11時) (レス) id: 7075aafa78 (このIDを非表示/違反報告)
朮’(プロフ) - チヒロさん» コメント有難うございます！そうですね、そろそろですね。自分もワクワクしながら書いてます！応援有難うございます！！ (2020年12月10日 16時) (レス) id: e4a009835c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：朮’ | 作成日時：2020年11月19日 23時
