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ペルさんは太陽に向かって空高く上昇した。
「あそこだ‼クロコダイルとビビが見える‼」
チビ助の背中越しに下を見れば、
確かにクロコダイルの姿が王宮の縁にあり、
見間違いでなければ王女であるビビさんの首を掴み上げている。
あのままクロコダイルが手を離せば、
ビビさんは真っ逆さまに王宮の高い塀の上から地面へと落下する。
流石に見聞色の覇気で未来が見えるとはいかないが、
「あいつ、本気で落とす気か……⁉」
クロコダイルがその手を離そうとしている事だけは
容易に想像がついた。
「ペルさん！ビビさんに向かって急降下‼
チビ助はあの子をちゃんとキャッチしろ‼」
「はい！」
「おう‼」
ペルさんが真下に急降下し始めると同時に、
ビビさんを掴んでいたクロコダイルの手がさらさらと砂に変化した。
そしてふわりとその身体は宙に投げ出される。
「クロコダイル〜〜〜〜‼‼‼」
チビ助が怒号を飛ばせば、
クロコダイルは目を見開いて驚いた。
そりゃそうだ、誰もあんな重傷を負った男が、
僅か数時間でアルバーナに姿を表すとは思うまい。
チビ助がビビさんを上手く掴み、
ペルさんはそのまま市街を旋回する。
彼女はチビ助に抱きつき、
悔しそうに下唇を噛み締め、ボロボロと涙を流した。
「広場の爆発までもう時間がないの‼
もうみんな…やられちゃったし……‼
私の“声”はもう…誰にも届かない‼‼」
この世に、自国の民を思いこれ程の行動力を持ち、
巨悪に立ち向かえる王族は何人いるだろうか。
まだチビ助とそう歳も変わらないであろう彼女は、
国と、その民のためを思い必死に行動したのだろう。
このままでは国が滅びてしまう。
クロコダイルの手に渡ってしまうと涙を流す彼女に
「心配すんな！
お前の声なら俺達に聞こえてる‼」
にっ‼と笑って見せた。
ほんの数ヶ月目を離した隙に、
随分と頼もしい奴になったものだ。
それより、さっきビビさんが言った
“広場の爆発”とは何だ？
何やら事態は刻一刻と
悪い方向へ向かっている様な気がしてならない。
戦場と化した王宮前の広場の中で
少しだけ開けたところを見つけるとペルさんはそこに降り立った。
「ルフィさん、その、お面の人は……？」
地面に立ったビビさんは俺の方を不審そうに見る。
まァ、突然お面つけた怪しい奴がいたらそういう反応を見せるわな。
「俺のセンセーだ！
センセー、ビビの事頼んで良いか？」
「………」
その問いは、
断られる事を少しは考慮しているのだろうか……。
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朮’(プロフ) - 春風駘蕩さん» コメント有難うございます！おっと、それは誤字ですね。しれっと修正を。 (2022年2月21日 2時) (
レス) id: e4a009835c (このIDを非表示/違反報告)
春風駘蕩(プロフ) - 好き！好きだけど待って！６ページ目の五行目！殺ってどした！？怖い！でも好き！大好き！ワクワクが止まらないぜ！ (2022年2月17日 17時) (レス) @page6 id: 7ec3b8ebfc (このIDを非表示/違反報告)
朮’(プロフ) - ジャスミンさん» コメント有難うございます！頑張って続き書きます！！ (2021年1月13日 15時) (レス) id: e4a009835c (このIDを非表示/違反報告)
ジャスミン - めっっっっちゃ好みの漫画だった…！！久しぶりに会ったです！こんないい小説！！続き待ってます(*≧∀≦*) (2021年1月13日 11時) (レス) id: 7075aafa78 (このIDを非表示/違反報告)
朮’(プロフ) - チヒロさん» コメント有難うございます！そうですね、そろそろですね。自分もワクワクしながら書いてます！応援有難うございます！！ (2020年12月10日 16時) (レス) id: e4a009835c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：朮’ | 作成日時：2020年11月19日 23時
