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エースは一頻り泣いた後、
「ついて来てんだろ？」
海の方を見たまま、鼻声でそう言った。
まさか俺の気配に気付いていた？
いや、俺だってそこまで尾行は下手じゃない。
どこで気付いたのは分からないが、
バレているなら隠れていても仕方がない。
「よく俺がいるって分かったな」
俺はエースの隣に歩み寄る。
「……気配は感じねェけど、
何となくついて来てそうな気がした」
野生の勘ってやつだろうか。
俺が隣に立つと、エースは顔を少しだけ背けた。
どうやら泣き腫らした顔を見られたくないらしい。
しかし、顔を背けつつも
エースは手に持っていた手紙を俺の方に向ける。
「俺が読んでいいのか？」
「おう」
一応許可を得てから手紙を受け取れば、
ガキ共の中では１番綺麗なサボの文字が並んでいる。
あの火事で２人は怪我をしていないかの心配、
そして皆んなには悪いが、先に海へ出る事にした事、
またいつか、海賊になって必ず再会しようという事、
そして最後に、エースに宛てて
チビ助を“よろしく頼む”とあった。
表面は主に２人に宛てた内容で、
書ききれなかったのか、
裏面を見ると俺宛のメッセージが書かれていた。
“センセーへ
センセーの小太刀だけど、
もう暫く俺に預けておいて欲しい。
一人前の海賊になったらちゃんと返しに行く。
だから、その時まで待っててくれ。
もっとたくさんセンセーから学びたかったけど、
俺は先に海に出る事にした。
俺が学べなかった分、
エースとルフィに教えてやってくれ！”
俺に対しては大変な時に何でいないんだとか、
そういう恨みを書いたっていいのに。
サボの純粋な決意と優しさが詰まった手紙。
「刀、悪かった。大切なもんだったんだろ？」
「気にするな、刀は所詮道具だ」
確かに、あれはずっと使い続けて来た
愛着のある刀ではある。
しかし、それ以上に大切なものは沢山ある。
「それより、チビ助を頼んでも良いか？
俺は少し確認したい事もある」
「おう」
まだ目元は赤い、頬には涙の跡もある。
それでも、エースは真っ直ぐ先を見据えていた。
「ははっ、頼んだぞ“お兄ちゃん”」
俺がいつもの調子で頭を撫でてやると
「ガキ扱いすんな……！」
エースは俺の手を弾いた。
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朮’(プロフ) - 夜野 海さん» コメント有難うございます！最近は更新が不定期で申し訳ない…。応援有難うございます、頑張ります！！ (2020年11月10日 0時) (
レス) id: e4a009835c (このIDを非表示/違反報告)
夜野 海 - いつも更新お疲れ様です！この作品が好きでいつも楽しく拝見させて頂いてます！！これからも応援してます！！ (2020年11月9日 22時) (レス) id: 65c0a5960a (このIDを非表示/違反報告)
朮’(プロフ) - 麗奈さん» シリーズ1作目の中で男って書いてましたね、すみません。そんな訳で男です。これからも頑張ります！ (2020年10月19日 1時) (レス) id: e4a009835c (このIDを非表示/違反報告)
麗奈(プロフ) - わざわざお返事ありがとうございます！了解しました！これからも頑張ってください！ (2020年10月19日 1時) (レス) id: cc31b092a3 (このIDを非表示/違反報告)
朮’(プロフ) - 麗奈さん» コメント有難うございます！自分的には一緒にお風呂に入っちゃうので男かなァと思っていますが、容姿等は皆様のご想像にお任せしています！ (2020年10月19日 1時) (レス) id: e4a009835c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：朮’ | 作成日時：2020年10月9日 14時
