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いやァ、久しぶりに刀使った！
何だかんだで10年ぶりな気がする！
久々に刀を使った事で俺がちょっと興奮気味だが、
たった今俺に負けたばかりのたしぎさんは
俺を上回って興奮してた。
「す、凄いです‼さすがはA中将‼」
「いや、元中将だから」
「退役なんてもったいないですよ！
まだまだ現役で行けます‼」
大丈夫だろうか、俺の声は聞こえてるだろうか。
「小太刀で私の刀を払った時も力任せじゃなくて
ちゃんと重心を見極めてわたしの体勢を崩す
絶妙なポイントをついてましたよね‼‼」
あ、負けてもちゃんとそこに気付けてるのか。
それは偉い。負けから学べるのは立派な事だ。
「でも悔しいです！
小太刀だけで負けてしまいました。
もっともっと強くならないと……‼」
今日は叢雲の感触確かめたくて
こっちをメインに使ったからな……。
「それと、気になってたんですけど……。
その刀、良業物の“斑霧”ですよね‼」
「え、あァ。よく分かったな」
「分かりますよ！少し見せて頂いてもいいですか‼」
「構わないが……」
腰から斑霧を抜いてたしぎさんに渡すと、
刃紋やら拵えやらについて何やらぶつぶつ語りながら
熱心に斑霧を見ている。
もしかしなくても彼女、刀マニアだな。
俺も刀を使う者として多少の心得はあるが、
ひと目見て刀の銘を当てられる程じゃない。
余程刀が好きで、なおかつ勉強熱心なのだろう。
さて、たしぎさんから斑霧を返してもらい、
手合わせも済んだ事だしと宿舎に戻る。
派出所を出るギリギリまで、たしぎさんには
「海軍に戻って来るべきですよ‼」
と、これまたお熱いお誘いを受けたが
そこはしっかりとお断りしておいた。
スモーカーさんは俺に会った事を
一応クザンに報告だけはするらしい。
まァ、それは上司命令なので仕方ないが、
部下に私情を押し付けるのはどうかと思う。
「さてと、次はどこへ行こうか」
宿屋の安いベッドに背中を預け、
薄汚れた天井を見上げてぼんやりと考える。
このまま東の海を放浪するのも悪くないし、
頑張って偉大なる航路に入ってみるのも有りだ。
偉大なる航路に入るにはリヴァース・マウンテンから
船で山登りをして飛び込むか、凪の帯を通過するか。
「
大型海王類の巣である凪の帯は
海楼石を船底に敷き詰めた軍艦でも100%安全というわけではなかった。
「ま、何とかなるか……」
何故かこういう時だけ、
人は都合よく楽観的に考える。
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朮’(プロフ) - 夜野 海さん» コメント有難うございます！最近は更新が不定期で申し訳ない…。応援有難うございます、頑張ります！！ (2020年11月10日 0時) (
レス) id: e4a009835c (このIDを非表示/違反報告)
夜野 海 - いつも更新お疲れ様です！この作品が好きでいつも楽しく拝見させて頂いてます！！これからも応援してます！！ (2020年11月9日 22時) (レス) id: 65c0a5960a (このIDを非表示/違反報告)
朮’(プロフ) - 麗奈さん» シリーズ1作目の中で男って書いてましたね、すみません。そんな訳で男です。これからも頑張ります！ (2020年10月19日 1時) (レス) id: e4a009835c (このIDを非表示/違反報告)
麗奈(プロフ) - わざわざお返事ありがとうございます！了解しました！これからも頑張ってください！ (2020年10月19日 1時) (レス) id: cc31b092a3 (このIDを非表示/違反報告)
朮’(プロフ) - 麗奈さん» コメント有難うございます！自分的には一緒にお風呂に入っちゃうので男かなァと思っていますが、容姿等は皆様のご想像にお任せしています！ (2020年10月19日 1時) (レス) id: e4a009835c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：朮’ | 作成日時：2020年10月9日 14時
