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二年近く続いていた恋人と別れた、その夜………
ふらりと立ち寄ったBAR。
重厚な木製の扉を開けると…こちらに向かって歩いてくる華奢な感じの男の人が、一人。
“………あ、っ⁉”
嵐のリーダー・大野智さん。
「あ、れ？ 」
大野さんが、俺に気付いて…あの“癒しの微笑”を浮かべながら、近付いて来る。
「こ、んばんは。この間は、ありがとうございました。」
「こちらこそ。あん時、楽しかったね。」
少し前に出演させて頂いた、嵐の皆さんの冠番組でお世話になったお礼を伝えると…ふわりと微笑みながら、柔らかな声で応えてくれる大野さん。
あの時の…
他のメンバーがゲーム中、待機していた雛壇で…隣に座っていた櫻井翔さんと小声で囁いては微笑(わら)っていた…あの優しい笑顔、そのままだ。
「あの、一番奥の席なら、ゆっくり出来るよ。」
「えっ…⁉」
「でも、オミちゃんオーラあるから、分かっちゃうかな？」
俯き気味で、愉しそうに微笑(わら)った大野さん。
きっと…あなたの方こそ、バレバレな気がします。
「ここの酒、かなり美味いから。楽しんでね。」
俺の耳元に唇を寄せて、囁いた後…
至近距離で視線を合わせた俺にまた、あのふわりとした微笑みを残して…大野さんは、出入口の扉へと歩いて行った。
「いらっしゃいませ。」
パッと見、“学生か？”と思ったくらい童顔のバーテンダーが、大野さんオススメのカウンター最奥の席へ腰掛けた俺に、微笑んだ。
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作者名：愁(ｼｭｳ)
作成日時：2016年7月27日 16時
