合コン0勝彼女【urt】 (ページ5)

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「デート？」

「デート行けばええやん。もしかしてデートっ単語知らん？」

「知ってるわ!!」

口から溢れるようにして出たアホそうな私の声に笑いながら質問してくる志麻さんをあしらう。一昨日は坂田と。昨日はしまさかせんと。今日は志麻さんと。最早うらたよりやっていることが酷い気がする。私って罪な女なのかも。てへ。

「聞いとる？」

「いや、全然」

「ちょっとぐらいは嘘つこうや」

「ポリシーに反するからさ」

今日はうらたは後輩ちゃんと食べることなく、坂田とセンラさんと食べている。何故こんなグループ内派閥みたいに別れているのだろうと思ったが恐らく３人の気遣いであろう。でもうらたとご飯食べたかった…。ありがたいけど、ありがたいけどね。

「まぁ取り敢えずデートっていうデートしたことがないんやったらデートしてみたら？」

「えー…でもさぁ…」

「何をそんな渋ってるん？」

「したこともないのに誘うのも難しくない？」

「出掛けりはないん？」

うらたとの記憶を辿るとでてくる数々の記憶。やはり多くはこの会社での出来事だが、別にプライベートで会うことも少なくない。

「それはあるかな。一緒に買い物行ったり」

「それはデートちゃうん？」

「えだってスーパーとかコンビニとか、行っても大型ショッピングモールで出くわすぐらい…」

「……あーね」

「その反応やめろ」

その上別に手を繋ぐこともない。ベタベタするわけでもない。ただただアイスを奢れだとかしょうもなくても幸せな、変わらない関係を続けている。付き合ったばかりの頃は関係性がいきなり変わってしまったらどうしようだとかよくある不安ばかり抱いていたのだが、そんな心配はこれっぽっちもいらなかった。

てか付き合う前のほうが甘々な雰囲気出てたよね。あれか？付き合ったら安心して放置するっていうあれか？

「行くとしたらどこが良いと思う？」

「そこは二人で決めたほうがええと思うで？」

「質問を質問で返すな」

「ん？？？？？」

顔の強さと一文字の圧で押し切ってくる志麻さんにこれ以上を求めても無駄なのだろう。くそ、顔がいいな。向こう側にいるうらたをぼーっと見つめながら思わずため息をついた。