合コン0勝彼女【urt】 (ページ1)

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「そういやうらさんと付き合って2ヶ月やん、どうなん？」

さて、どうだろうか。世間一般では2ヶ月あればどこまで進んでいるのだろうか。

「え？それ聞く？てかうらたから聞いてよ」

ガヤガヤとうるさい昼食時。目の前にいる坂田と言う男はカツ丼定食を食べている。脚ほせぇな。

「いやーいうて俺ら恋バナとかせんもん。ほら、そういう仲ちゃうし」

「…まぁ、確かに？」

志麻さんとセンラさんは今日は上司と。

「せやから教えてや」

「えぇ……じゃああそこにいる本人に今聞いてきてよ」

肝心のうらたは。

「え？……えっ、う、うらさん…？」

後輩の女の子と飯を食べてやがります。

「え、え、え、ちょ、ちょどういうこと？」

「知らん、私が聞きたい」

何度見るんだとでも言いたくなるほど坂田はチラチラと後ろを振り返り、彼の姿を確認する。何度か繰り返した後、私の方へと視線を戻すと理解ができていないとでも言いたげな目線を送ってきた。いやこっちが知りたい。

「…あの女の子が誰かは知ってるん？」

「それは知ってる。うちの部署の後輩」

「…で？」

「まぁ仕事似てるんじゃない？知らんけど」

「一番嫌われてる関西人の言葉使うんやめーや」

知らないのは本当だ。嫉妬しないかと言われれば否、そんなことはないと返答するが、嫉妬したって仕方がないのだ。

「………まぁ、うらたのこと信用してるし」

「まぁって言いすぎやん」

「うるさ」

ほぼ八つ当たりに近い回答にも坂田は気にせずご飯を食べている。彼が人から好かれる理由はこれだろうなと思いながらこちらも無心でお味噌汁を啜る。あったけー。なんかおっさん臭いな。

「ご馳走様でした」

坂田は手を合わせてそう述べた後、お盆と食器を戻しに行こうとする。置いてくなよ。思わず彼に視線を合わせると「明日まーしぃとセンラと一緒にご飯食べよ」と言ってくる。その時の彼の表情といったら、何故か私よりも困った顔をしていて、でも微笑んでいるようで。その顔見ただけで泣きそう。やめてもろて。

「…ありがと」

その小さくて薄い言葉が彼に届いたのか頷いてくれた。なんだかんだ坂田は優しいのだ。坂田と付き合える人間はさぞ幸せなのだろうなと思っていたら彼はお盆を手にして椅子から立ち上がっていた。

「じゃ、また明日な〜」

彼が立ち去ると、先程までちょうど彼で隠れていて見えなかったうらたの姿が見えた。