ど ページ4
.
｢あー？もしもし？ショッピ？｣
やりやがったこいつ。
塞いでいた友人の口を離し、小声でチーノに語りかける。
｢ちょ、今すぐ通話切ってって｣
｢なんも聞こえんなぁ、そうやショッピ、Aがさ｣
｢うわああああああああ！！！！｣
大声を出して、私の名前を遮った。視線も浴びるし最悪だけれど、ショッピに聞かれるよりはまし。恥ずかしいけれどまだまし。私の大声に耳をやられたであろうチーノが耳を塞ぎながら私を見てくる。
｢うるっさ、お前うるっさ！｣
｢だってチーノが！｣
｢"A…？"｣
スピーカーにしていたチーノのスマホからはショッピの声が聞こえてきた。
｢い、いや、？違いますよ？｣
｢いやAやで｣
｢おいチーノ許さん｣
ショッピが私の名前を呼んでくれたことに舞い上がりつつも、冷や汗をかいている。どうしよう。ショッピに聞かれたくない。未練たらたらです、なんて。
｢か、帰る｣
｢え？ちょ、私も帰る帰る｣
後ろから追いかけてくる友人に振り返って手を振り、駐輪場に急いで走る。どうしよう、どうしよう。チーノのことだから、今頃きっと。
自転車の籠にスクバをいれて、急いでショッピとのトーク画面を開き、ミュートをする。なにも聞きたくない。ごめんなんて。ショッピの気持ちなんて、聞きたくない。好きじゃないなんて、聞きたくない。
あんなに未練がましかったのに。こんなに好きなのに。いざとなると怖くてなにも言えない。
自分から振ったくせに、戻りたいとか、でも気持ちを聞きたくないとか、私、めちゃくちゃ我が儘だ。
もう、早く諦めなきゃ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 299人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
孤廻猫(プロフ) - 素晴らしいビジュ？ その通りです。うちもsypくん推しっスわｧｰ(*^◯^*) (2021年6月5日 19時) (
レス) id: fb1b27985e (このIDを非表示/違反報告)
shiyu(プロフ) - かのさん» コメントありがとうございます。癒しを提供できたようで何よりです。男は押すべし。 (2021年5月28日 22時) (レス) id: 12f7993420 (このIDを非表示/違反報告)
shiyu(プロフ) - ゆかりんごさん» コメントありがとうございます。元カレに未練がましい私が書いた作品でしたが好んでいただけてとても嬉しいです。彼氏さんとお幸せに。 (2021年5月28日 22時) (レス) id: 12f7993420 (このIDを非表示/違反報告)
かの(プロフ) - あぁ、最高すぎます…強引なshpくんいけめそ……作者様最高です、天才ですね……癒しをありがとうございます… (2021年5月27日 19時) (レス) id: 322bf46b5a (このIDを非表示/違反報告)
ゆかりんご - 現彼に似すぎた最推しは最高すぎた。好きです(唐突の告白) (2021年5月27日 17時) (レス) id: 925143f170 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
