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 「なぁ、今日」

 「大学の友達と飲み会あるから」


と、最近ことごとく断られるのは何回目か。これはもう、完全に避けられている。最初はタイミングとか運が悪いものだと思っていたけれど、彼女の表情からして意図的なんだろうと思った。余計にたちが悪い。Aも忙しいんだなぁって思った俺を返せ。

 「誰と?」

 「お前は彼氏か」

いつもと変わらない表情のA。いつもなら揺さぶったらすぐにボロを出すのに、今回だけは何かを隠したいのか頑なにそれを見せない。

 「明日は?」

 「明日は寝る」

 「夜空いてる?」

予定を聞くたびに眉がぴくりと動く様子を見ると傷つく。ない予定を無理矢理詰め込んで、そこまでして俺の誘いを断って。

俺のことが嫌いなわけではないと思う。恐らく。


 「…夜は、ちょっと」

そう言って、また君ははぐらかして、俺を揺さぶる。




▼▽▼



 「…ってわけよセンラさん」

 「はよくっついたらええのに」

 「私も好きですってか?無理無理そんなこと言えてるなら誘い断らなかったわ」

最近センラさんに対して言葉遣いが荒くなった気がするがそれは酒のせいだろう。酒のせいにしておこう。

 「それ言えへんとずっとこのまんまやで?」

 「ずっとは嫌だけど……好きですって言う方が何倍も嫌だ」

 「キリないなぁ二人も」

 「もうセンラさんが垂れ流してよ、私が好きだってこと」

 「そんなんしたら恋愛マスターの名が廃れるやろ」

 「はいはい、恋愛マスター(笑)」

センラさんの言葉を振り払って一口、また一口とお酒を口にしていく。うん、美味しい。私のことを面倒だと言いたげな視線がなかったらもっと美味しかったはず。恋愛マスター(笑)め。正直(笑)つけたいだけです。はい。すんません。

そんなセンラさんは空いたグラスの氷をカラカラと鳴らしながら私の目を見た。

 「そもそもなにがそんなに怖いん」

 「………さぁ?」

 「両想いって分かってるんやったら怖くないやろ」

 「多分、怖いとか、そんなんじゃないとおもう」

私の言葉に首を傾げた後、センラさんはお手洗いに行ってしまった。この間に払うとかいうイケメンになりたかったけど、流石に全額払うのは嫌だったので一円単位まで割り勘してやった。

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ちょこ - とてもよかったです!その後話が欲しい! (2022年8月9日 11時) (レス) @page42 id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
こっぴー。(プロフ) - こんにちは!snrさんのヴァンパイアの方から飛んで来た者です!前作から一気読みさせていただきました…!めっちゃ好みです!更新頑張ってください! (2021年8月11日 11時) (レス) id: f811ca7a7d (このIDを非表示/違反報告)
しお(プロフ) - 数話更新嬉しいです…!!!!このあとなんかおこるかな、どうかな、のワクワクでいっぱいです。これからも無理せず執筆してくださると嬉しいです楽しみにしてます〜 (2021年3月20日 13時) (レス) id: e761ef9cbb (このIDを非表示/違反報告)
ゆきか(プロフ) - 更新楽しみにしてます! (2020年10月12日 2時) (レス) id: 3dc25a2152 (このIDを非表示/違反報告)
shiyu(プロフ) - みかんさん» ありがとうございます!更新頑張りますね! (2020年7月4日 22時) (レス) id: ca77629a28 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:shiyu | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年6月8日 23時

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