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 「ちょちょちょっとまて、お兄さん」

 「それ懐かしいな」

いやそうだけどそうじゃない。私が言いたいのはそれじゃない。

 「ていうか、なんで俯いてるんだよ」

 「………勝負」

 「…は?」

うらたに顔を見せないようにして、一言呟く。これしか方法がないことを悟った私は握り拳をつくり、息を吸って堂々と宣言した。

 「しょ、勝負終わるまで、口、きかないから!!!!!!」

 「は?って、おい」

逃げるようにして、会社の最寄りからダッシュで降りてダッシュで階段を駆け上がる。うらたならいつ追いかけてくるかわからないし、いつ追い付いてくるかわからない。だからもう先手必勝じゃおらぁぁぁぁぁぁあ!!!!

 「………お、はよ…ござ、ます」

 「…急いでくるのもいいが急ぎすぎるなよ」

部長の言葉を全身で受けとめながら、席について、PCを起動する。あれ、私、うらたとデスク隣じゃん。

そう思っていると、少し荒い息をしたうらたが隣に座り、私に話しかけてくる。が、ここまで言ったからにはもう私にも後がない。ぷいっとそっぽを向き、話す意思はないとでもいうように意思表示をすると、うらたから「わかった」という声が聞こえた。

それから、私とうらたの勝負か始まったのである。


昼食は無言で坂田と志麻さんとセンラさんの取り合い。志麻さんとセンラさんに相談したところ、勝負終わるまでこれかぁ、と言いながら食事に付き合ってくれた。

家に帰って推しイベがあってもなくてもゲームに浸っていた私は推しイベを泣きながら放置(オートプレイ)し、ゴミタイピングの速度をあげるために寿司打をした。いや損しかせん。なんだよこのゲーム。いつ得すんだよ。

積極的に仕事を受け持つようにもした。これも全て勝負のため。あとうらたに赤面する癖を直すため。実質それが一番の目的だけど、一億勝負の結果も怖い。負けたら何をされるかたまったもんじゃない。

いつもの飲みもうらたは居ず、坂田や志麻さん、センラさんとランダムに連れていき、仕事の話をして、仕事を引き受ける分増える残業にも耐えて。

1ヶ月間戦った。

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ちょこ - とてもよかったです!その後話が欲しい! (2022年8月9日 11時) (レス) @page42 id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
こっぴー。(プロフ) - こんにちは!snrさんのヴァンパイアの方から飛んで来た者です!前作から一気読みさせていただきました…!めっちゃ好みです!更新頑張ってください! (2021年8月11日 11時) (レス) id: f811ca7a7d (このIDを非表示/違反報告)
しお(プロフ) - 数話更新嬉しいです…!!!!このあとなんかおこるかな、どうかな、のワクワクでいっぱいです。これからも無理せず執筆してくださると嬉しいです楽しみにしてます〜 (2021年3月20日 13時) (レス) id: e761ef9cbb (このIDを非表示/違反報告)
ゆきか(プロフ) - 更新楽しみにしてます! (2020年10月12日 2時) (レス) id: 3dc25a2152 (このIDを非表示/違反報告)
shiyu(プロフ) - みかんさん» ありがとうございます!更新頑張りますね! (2020年7月4日 22時) (レス) id: ca77629a28 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:shiyu | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年6月8日 23時

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