合コン0敗男子 【urt】

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　｢いつも、ありがとう、ね｣

途切れ途切れでも溢れた言葉に自分で照れる。長い付き合いの相手に感謝を伝えることは照れ臭いのが勝ってしまって苦手だ。寝ているからまぁバレないだろう。

　｢じゃあまた明日ね｣

頭から撫でていた手を離し、立ち上がる。すると、ぐっと手首を掴まれた軽く引っ張られ、またベッドに向き直る形にされた。

　｢…起き、てる？｣

顔がどんどん熱くなっていく。さっきの感謝の言葉を伝えたこととか頭を撫でていたこととか、今思えばすごく恥ずかしい。返信が返ってこない辺り、寝ぼけているのだろうか。

　｢うら、た｣

　｢…ん、｣

私の手を握りながら、寝息をたてるうらたの姿にほっと息をついたのも束の間。

　｢私、帰るよ？｣

　｢……だめ｣

手首を握る力が若干強くなった。顔から血の気が引いていくのがわかる。

　｢起きてるでしょ｣

　｢………｣

　｢帰るから手離して？｣

　｢……帰るな｣

いやいやさっきまで帰れって言ってたのどこの誰だよ。ふるふると頭を振り続けるうらたの姿がかわいくて心にくる。

　｢帰れって言ったのうらたなんだけど｣

　｢……歩いて帰るな｣

　｢一駅だし大丈夫｣

　｢…帰るな｣

次第に強くなる力はついに振りほどけないほどになってしまった。病人を舐めていた。病人でもうらたはうらただ。しばらく沈黙が続くと、うらたが口を開いた。

　｢歩いて帰るなって、言ってんだよ｣

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