合コン0敗男子 【urt】

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うらた私のこと好きなのに追い出すとかあり得なくない？うぉううぉ
一人寂しく、重い足取りで帰路を歩く。お酒は飲んでないから楽とは言え、この時間に家に帰って自分で風呂沸かす。これほどの面倒くささはない。うらた家の新しいお風呂いいな。
じゃりじゃりと足裏を擦って歩く。街灯に照らされてできる影を見ていると、自分のものじゃない影が映ったような気がした。


　｢…っえ？｣


後ろを振り向くと、足を止めているはずなのに砂利の音が微かに聞こえた。でも姿はない。気のせいだとは思いたい。でも、思えるはずなんてない。
今まで変質者を見かけることなんてなかったし、なんなら自分が変質者を撃退できる自信があった。私は強いっていう自信があったから。


　｢お姉さん｣


そう言って肩に置かれた手にぱっと振り向くと、ただのイケメンが突っ立っていた。イケメンだからといって容赦はしない。そう拳を握って口を開こうとしたけれど口は開かないし、足も動かない。どうしようかと思っていると、恐る恐るハンカチを差し出された。


　｢これ、落としましたよ｣

　｢…あ、えっ……ありがとう、ございます｣

　｢夜道は危ないですから気をつけてくださいね、では｣


そう言って軽く一礼をし、私を抜かしていった青年の背中を見送る。呆然として、ほっとして、怖くなって、駆け足で道を戻り、逃げた。悪い人じゃなかった、と思う。でも怖かった。なんであの人はわざわざ隠れたんだろうとか思い始めると怖くて怖くて堪らない。本当は襲われたんじゃないかとかそう思うともっと怖い。


震える手で、急いで電話をかけた。

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