合コン0敗男子 【urt】

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　｢受付嬢の件、俺が好きって言ってもわかんない？｣

　｢ちょ、ちょと待て｣

　｢なんだよ｣

　｢気持ちの整理とか…できてなくて｣

　｢…別に今すぐ返事しろって訳じゃ｣

　｢そういうことじゃなくてなぁ…｣

恋愛経験がなさすぎるせいで好きという二文字だけで動揺してしまう。中学生か。思春期真っ盛りの女の子か。いや私はもうババアさ…。


　｢なに？もしかして動揺してんの｣

　｢………恋愛経験豊富なうらたさんにはわからないでしょうね｣

　｢そういうとこ、可愛いな｣

　｢か、かわ……っうるせぇえろだぬき！！！！！｣

全力で叫ぶと勿論客の視線は集まる。よく叫び散らかす人はいるから怒られはしないのだが、視線は刺さる。でも、それよりも恥ずかしいことがあったからもうどうでもよくなってしまった。

　｢えろだぬきって……｣

　｢酔ってるときに女の子に手出すな！未遂だけど！｣

　｢好きなやつが目の前にいたら理性がとんだ｣

　｢真顔で言わないで超怖い｣

好きだとか可愛いとか理性がとんだとかいちいち心臓に悪い。恋愛経験がなさすぎるせいでドキドキするけど、何より気味が悪い。多分そろそろ私死ぬんだろうと思う。うらたがこういうことを言うのが違和感でしかない。グッバイ、私の運命の人は君じゃない。

現実逃避するように視線を逸らした私を見て、うらたは溜め息を吐いた。

　｢…んで、俺の気持ちには薄々気付いてた癖に受付嬢の理由もわかんねぇの？｣

　｢え、なんで気付いてたこと知ってるん｣

　｢バレるように分かりやすくしてたからな、あれでわかんないやつは一回病院行った方がいい｣

神様。うらたという男はどうしてこうなんでしょうか。身長以外完璧です。エスパーでもあります。もっと良い女います。なんで私なんでしょうか。元々標的だったのにこれからもっと女の人に狙われます、助けてください。そんな虚しい声は届く訳もなくうらたは私を置いて話を進めていく。

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