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【5】 ページ6
しばらく後………
和:「潤くん、ありがとね。」
潤:「カズ…今から、飯行かね？」
和:「う…ん…いいや。今日は、やめとく。また、誘ってよ。」
潤:「お、おぉ…」
和:「おやすみ、潤くん。」
潤:「おやすみ………」
いつもの笑顔を、残して…
車を後にした二宮が、消えるまで…
松本は…
その背中を、見送っていた。
潤:「カズ………」
“そんなに…強くねぇくせに………無理すんなや。”
松本は、ひとつ溜め息をつくと…
エンジンを、かけた………
＊
＊
自室へ戻った、二宮は…
リビングのソファーの脇へ、荷物を放り出すと…
そのまま、ソファーへ寝転がった。
視線の先には、白い天井…
静か過ぎる部屋に、時折…
冷蔵庫のモーター音が、聞こえる。
“結希………”
白い天井が…滲んだ。
“結希…おまえが、いねぇの…やっぱ、ｷﾂいわ………”
二宮の目の淵から、溢れ出した涙は…
こめかみへと、伝っていく………
和:「結希………」
二宮は、目を閉じると…
両の瞼の上に、左腕を乗せた。
それでも、涙は…
二宮のこめかみへと、伝い落ちていく………
やがて………
二宮は、横向きになり…
身体を、丸めた。
全身は、震え…
唇からは、嗚咽が漏れる………
二宮自身の他に、誰もいないこの部屋でさえ…
その声を、押し殺すようにして…
二宮は、泣き続けた………
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作者名：愁(ｼｭｳ)
作成日時：2011年1月26日 0時
