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【3】 ページ4
松本の車の、助手席で…
二宮は、後方へ流れてゆく景色に、目をやっていた。
だが………
その目に、映っているのは…
全く、別のものだった。
“結希………”
松本は時折、二宮の様子に目をやりながら…
車を走らせていた。
車内には、スローテンポの洋楽が…
二宮の邪魔をしない程度に、流れている。
和:「潤くん…」
潤:「ん…？」
和:「これ…いい曲だね。」
潤:「えっ？」
助手席へ、目をやると…
二宮が、松本を見つめていた。
普段の二宮、そのままの表情で………
“カズ………無理すんなよ。”
潤:「今度、CDやるよ。」
和:「マジ？ やった！」
嬉しそうな顔で笑う、二宮を…
松本は…
複雑な思いで、見つめた。
やがて………
松本は…いつもの駐車場へ、車を停めた。
潤:「行ってきな。俺…ここで、待ってるから。」
和:「うん。ありがと…」
二宮の顔には…
悲しみの中に…ひとかけらの喜びが、滲み出ていた。
そんな二宮の背中を…
松本は、心配そうに見送った………
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作者名：愁(ｼｭｳ)
作成日時：2011年1月26日 0時
