【16】 ページ17
宮松総合病院･診察室………
医師:「今、無理すると…今後の保証、出来ませんよ。」
和:「そう…ですよ…ね………」
二宮は…
医師からの言葉が、自分の想像通りだった事に…
心の奥で、溜息をついた。
和:「でも…」
医師:「言っても、無駄でしょう？」
和:「えっ…？」
二宮は、思わず…医師を見た。
真剣だったはずの、医師の表情が…突如、崩れた。
困った顔で、二宮を見つめる医師………
医師:「痛み止め…打ちますか。」
和:「………お願いします。」
二宮は…
首だけを、軽く前に突き出しながら…医師に、礼を言った。
上半身を倒して、礼をすることすら…出来ない状態だったのだ。
約三十分後………
和:「ありがとうございました…」
二宮は、再び…
首だけを、軽く前に突き出しながら…医師に、礼を言った。
医師:「二宮さん。くれぐれも…」
和:「“無茶”は、しません。」
二宮は、医師に笑顔を見せた後…診察室を出た。
廊下の長椅子では…
マネージャーである、真見雄介が待っていた。
真見:「二宮さん…」
和:「大丈夫だって。(笑)」
痛み止めがまだ、十分に効いていないため…
鈍い痛みと、若干の違和感を抱えながら…
それでも、二宮は…
真見へ、笑顔を見せた。
和:「皆、待たせちゃってるでしょ？ 早く、行こ♪」
真見:「はい………」
心配そうに見つめている、真見の肩を“ﾎﾟﾝﾎﾟﾝ”と叩くと…
二宮は、ゆっくりと歩き出した。
その時………
「こんにちは♪」
その声に、振り向いた二宮の視線の先には…
飛島結希が…
“ﾌﾆｬｯ”とした笑顔で、立っていた。
和:「あっ…こんちわ。」
結希は、ゆっくりと二宮に近づいて来た…
結希:「腰の具合…良くないんですか？」
周りに、聞こえない程度の声で…
結希は、二宮に尋ねた。
和:「何で………あ、花音(かのん)ちゃんか。(苦笑)」
結希:「はい。まぁ…」
結希は、困ったように微笑(わら)った。
和:「大丈夫。ありがと♪ じゃあ…」
二宮は…
結希に微笑むと、再び歩き出した………
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作者名：愁(ｼｭｳ)
作成日時：2011年1月26日 0時
