Episode 47：卒業 ページ48
翔が腰をおろしても、中々優子は喋り出すことは無く
時計の動く音が、チクタクと聞こえていた。
彼女は大きく息を吸い込み、そしてゆっくりと吐きだすと
不安げだった表情は一変し、何かを決意した顔になっていた。
優子は翔の眼をまっすぐ見つめると、ようやく重い口を開いた。
優子「私ね･･･、卒業しようと思うんだ･･･」
翔「えっ･･･」
いきなり飛び出されたその言葉に、翔は何となく予想はしていたが
やはり驚きの声は隠しきれなかった。
優子「もちろん、AKBをね。それでね･･･」
続きを言い出す前に、彼女の肩は揺れ始め
その大きな瞳からは、ひと粒、またひと粒と涙がこぼれ始めていた。
その姿を見て居た堪れなくない気持ちになった翔は
彼女の左肩に、ポンと手を置き
やさしく二度、肩を叩いた。
それに後押しされたかのように、優子は涙を腕で拭い
震える声で、しっかりと伝えたいことを彼に伝えた。
優子「その･･･、卒業の発表を･･･、紅白でやらせてほしいの」
翔「紅白で？」
優子「うん･･･、タイミング的にも･･･、そこしかないかなって思ってて･･･」
翔「そっか･･･」
翔は震えるその肩を、やさしく擦ってあげることしか出来なかった。
だがそれだけでも十二分に、優子には彼の優しさが伝わった。
そのせいもあってか、彼女の涙は余計に溢れるばかりだった。
優子「結構ね･･･、考えたんだよ･･･？」
翔「うん」
優子「でも･･･、やっぱり･･･、そろそろかなって、ずっと思ってて･･･」
翔「うん」
優子「私も、AKBも、やっぱり、次に進まなきゃいけないからさ･･･」
翔「うん･･･」
翔はただただ頷くだけで、何も言うことは無かった。
言葉ではなく、彼に出来ることは
彼女の決断を、しっかり受け止めてあげることだという事が
彼自身、分かっていたからだ。
優子「ダメ･･･、かな･･･？」
翔「うん･･･、どうだろな。一応、プロデューサーさんにも言ってみるといいけど･･･。
それより、秋元さんにはその事、言ったの？」
優子「えっ？」
翔「卒業するって話、ちゃんと秋元さんに伝えた？」
優子「うん･･･」
翔「そしたら、なんて言ってた？」
優子「“分かった”って･･･、NHKさん側には、先生から話してくれるみたい･･･」
翔「そっか･･･」
その後も泣き続ける優子を、翔は優しく抱きよせ
泣き止むまで、抱きしめ続けた。
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アイス(プロフ) - 私も続編をかいてほしいです。欲を言うならば2人の間に子供がほしいです。 (2014年3月28日 22時) (
レス) id: 364dcbeb1d (このIDを非表示/違反報告)
ゆほ - いきなりですみません… 前作から見てて凄く面白かったです(*´∀｀) また続編作ってください！！！ (2014年1月15日 8時) (レス) id: 50e5ea1789 (このIDを非表示/違反報告)
翔優子LOVE - 面白かったです！ありがとうございました(^_^)新作楽しみにしていますね！笑 (2014年1月4日 0時) (レス) id: e33cc3a354 (このIDを非表示/違反報告)
アイス(プロフ) - 卒業についてありがとうございます！とてもおもしろかったです (2014年1月3日 9時) (レス) id: 364dcbeb1d (このIDを非表示/違反報告)
こりす(プロフ) - とーっても面白かったです！また新作も楽しみにしてます！(笑) (2014年1月3日 2時) (レス) id: 730af40cc1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：神楽リュウ | 作成日時：2013年5月29日 21時
