【APH】推しを交換してみたい！【合作】 (ページ12)

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あなたに心を奪われた【北伊】ページ12

俺はマンションのベランダで1人、お酒を飲んでいた。
今の時間は午後9時。
もうそろそろかなと考えていたとき、ガラガラとベランダの引き戸を開ける音が聞こえた。

「フェリシアーノ君こんばんは。待った？」
「ううん。ぜーんぜん待ってないよ。俺も今来たとこー」
「とか言って。待っててくれたんでしょ。」
「…まぁ、でもほんとにちょっとだけだよ？」

今話しているのは、俺の隣に住んでいるAちゃん。
年齢がお互いに近くて気が合うこともあって結構仲良くしてる。
毎日午後9時くらいにこうやってベランダでお酒を飲みながら話をする。
話の内容なんて

『この前食べたあそこのスイーツが美味しかった』
だとか
『朝の虹見た？綺麗だったよね。』
とかいう世間話だけどこの時間が俺にとって大切な時間になっていた。

「あっ、そういえばAちゃん。お仕事お疲れ様であります！」
「ありがとー！フェリシアーノ君もお疲れ様。」

2人の間に沈黙が降りた。
お互いに今は無言だけどこれも心地よい時間なんだ。

「ねぇ、フェリシアーノ君。」
「ん？どうしたの？」
「…。やっぱなんでもないや！」
「え、なになに？気になるよ～。」
「ふふっ、ごめんごめん。」

そうやって無邪気に笑うAちゃんはとても楽しそうで、こっちまでつられて笑ってしまう。

「じゃあ、1つ話をしてあげる！」
「なになに？」
「お酒って花言葉みたいな酒言葉があるんだよ。
　まぁ、お酒って言ってもカクテルなんだけどね。」
「へぇー、そうなんだ。」

本当は意味も知ってるけど、あえて知らないフリをする。

「たとえばフェリシアーノ君、今なに飲んでるの？」
「俺はね、カシスソーダだよ。」
「カシスソーダは、えーっと『あなたは魅力的』だった気がする。」
「じゃあ、俺にぴったりだ。」
「なんで？」
「俺も今そう思っているから。かな？」

俺がそういうと隣で慌てふためくAちゃん。
その彼女の頬が赤く火照っているのは、お酒のせいなのかそれとも…

彼女が飲んでいるスクリュードライバーの香りが俺の鼻腔をくすぐった。