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降谷side
「A」
「なに?」
「家族を失って、どう思った?」
「……なにそれ。酷い質問」
「悪い…。でも、聞いておきたいんだ」
「……私、なんの為に頑張ったのかなって。またみんなで暮らすために、悪いことたくさんしたのに、結局、何の役にも立たなかった」
……1番初めに出てくる言葉がそれなのか。
実年齢でもまだたったの24だ。
なのに、悲しいでも、辛いでもなく、『役に立たなかった』。
「他には?」
「……なんなの、零さん」
「いいから」
「……わかんないよ。目の前が真っ暗になって、苦しくて……。ああ、悲しかった、でいいのかな…」
そう言って、また笑う。
思わず俺は、Aを抱きしめた。
「わっ、なに?」
「……」
「零さん?」
「どうして、Aみたいなやつが、そんなふうに育てられなくちゃならなかったんだ…っ」
「……」
情けなく腕が震える。声が震える。
Aはそっと、俺の背中に手を回した。
「零さんがそんなふうに思うことじゃないでしょ?」
もう、と少し笑いながら、Aはぽんぽんと俺の背中を小さな手でさする。
悲しんでいるのはAの心のはずなのに。
それを理解できないなんて。
辛すぎるだろ…。
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時雨(プロフ) - まことさん» ご意見ありがとうございます。読み始めてもらえて嬉しいです!参考にさせていただきます。 (2019年10月18日 7時) (レス) id: c6320779fa (このIDを非表示/違反報告)
まこと(プロフ) - 3でお願いします 新たに読み始めたので続きが気になります (2019年10月16日 17時) (レス) id: 9abb2adce4 (このIDを非表示/違反報告)
時雨(プロフ) - ☆三日月☆さん» ご意見ありがとうございます。何年でもなんて嬉しすぎます!参考にさせていただきます。 (2019年10月15日 19時) (レス) id: c6320779fa (このIDを非表示/違反報告)
☆三日月☆(プロフ) - 何年なっても待ち続けるので3でお願いします! (2019年10月14日 16時) (レス) id: 0e61e2fc0f (このIDを非表示/違反報告)
時雨(プロフ) - あーちゃんさん» ご意見ありがとうございます。面白いストーリーや、もったいないなど、すごく嬉しいです!参考にさせていただきます。 (2019年10月8日 12時) (レス) id: c6320779fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:時雨 | 作成日時:2019年7月15日 13時