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Aside
『こんばんは、おじさん』
『やあ、Aちゃんじゃないか。大きくなったね。そういえば、コードネームも貰ったそうじゃないか』
なんの疑いも持たず、おじさんは私を部屋にあげてくれた。
ニコニコと笑って、以前私に色々なことを教えてくれた時みたいに、優しくしてくれた。
今までにした仕事の中で、こんなに心臓が大きく、速くなっていたことはあっただろうか。
『おじさん』
『なんだい?』
『ごめんなさい……』
体が熱い。息が苦しい。
……いやだ。
『さよなら』
バンッ
ーーーーー
コンコン
夜遅くに、研究所の扉をノックする。
『ちょっと、どうしたの!?こんな時間に』
『……、体が熱くて、でも、寒気がするの……。ひとりは怖い……、シェリーなら、許してくれるかと、思って……』
『っ、ひどい熱じゃない!とにかく入りなさい!』
『ありがと……』
優しいシェリーに、笑いかけたかった。
なのに、出てきたのは、熱い涙。
たくさんのことを教えてくれたおじさん。
彼を殺した時から、私は、人を殺すことがどういう事なのか、考えるようになった。
命を奪うという仕事を受けた時、それを実行した時、何故か熱を出すようになった。
その度にシェリーに頼っていたおかげで、彼女とは本名で呼び合うほどに仲良くなれたけれど…。
シェリーには、私が熱を出す理由が分かっていたみたいだった。
だからこそ、私が尋ねてきた時は、他愛ない、普通の会話をするようにしてくれていたのかもしれない。
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時雨(プロフ) - まことさん» ご意見ありがとうございます。読み始めてもらえて嬉しいです!参考にさせていただきます。 (2019年10月18日 7時) (レス) id: c6320779fa (このIDを非表示/違反報告)
まこと(プロフ) - 3でお願いします 新たに読み始めたので続きが気になります (2019年10月16日 17時) (レス) id: 9abb2adce4 (このIDを非表示/違反報告)
時雨(プロフ) - ☆三日月☆さん» ご意見ありがとうございます。何年でもなんて嬉しすぎます!参考にさせていただきます。 (2019年10月15日 19時) (レス) id: c6320779fa (このIDを非表示/違反報告)
☆三日月☆(プロフ) - 何年なっても待ち続けるので3でお願いします! (2019年10月14日 16時) (レス) id: 0e61e2fc0f (このIDを非表示/違反報告)
時雨(プロフ) - あーちゃんさん» ご意見ありがとうございます。面白いストーリーや、もったいないなど、すごく嬉しいです!参考にさせていただきます。 (2019年10月8日 12時) (レス) id: c6320779fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:時雨 | 作成日時:2019年7月15日 13時