安室さんの親戚になりました。2

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雫side

……遅くなるって言ってたけど、ほんとに遅いなあ、降谷さん。

深夜とか、朝に帰ってきたりするのかな。



まあ、私はある程度自由にできるし、キッチンの様子もじっくり眺められるから、いいけど。






梓さんにケーキの作り方を聞いたら、今度教えてあげるって言ってくれたんだよね。

本当にいい人！




教えて貰ったものを家で練習するには、家にあるもので作れるケーキじゃなきゃダメだから、何があるか覚えていかなきゃいけない。


……でも、見ただけじゃなんの機械かわかんないのもあるなあ。


写真撮って見せられたらいいんだけど、カメラも携帯電話も持ってないし。




はあ…、とため息をついて、キッチンを後にした。


晩ご飯は、降谷さんが美味しいのを作って置いて行ってくれた。


いつも通りとっても美味しかったけど、何だか1人で食べると、温めても冷たい味がする。






……こんなことになるまでは、ほとんど一人で食べてたのに。

こんなに冷たく感じたことなかったのに。





ああ、一人になる前はあの人たちと食べてたこともあったっけ。

私がこの見た目くらいの年の頃かな。

彼らのせいで……、私のせいで……。







はあ……。

一人の時間はネガティブになっちゃっていけないなあ。

こんな日は早く寝た方がいい。






自分の部屋に戻って、しまっていた赤紫色のリボンを取り出す。


今日は寂しいから。

これを握りしめていよう。








早く帰ってきてね、降谷さん。

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