17話 ページ19
お昼時になると炊事場が慌ただしくなる。
いつもならのんびり作っても大丈夫なのだが、調査兵団が来ているという事で作る量は多く、食材調達も大変な事になっている。
今日の当番が自分の班だったので、とても忙しい。
くるくるとナイフでジャガイモの皮を剥いていく。自分で言うのもなんだが短時間で綺麗に剥ける、ナイフの扱いは自分の特技と言ってもいいだろう。幼い頃から刃物を使う事が毎日あったのもあるだろう。あまりいい経験とは言えないが、魚を裁くのも、野菜の皮を向くのも切るのもダントツで自分がはやい。
「A、もうそろそろ鍋に突っ込んどいて」
「はい」
同じ班の先輩にそう言われると、すとんすとん とじゃがいもを8つに切り分け、既に切り終えられていた野菜たちと合わせてグツグツと沸騰する鍋に放り込む。
今日は野菜たっぷりスープに、水分の抜けたパサパサのパン、そしておまけに小さいリンゴ。
果物は村で作物を育てている人に譲り受けた。この間のダム崩壊の時の礼だとタダでくれた。自分はまったく関与してなかったのだけれど、ラッキーという事にしておこう。
準備が出来て食堂に行くが、調査兵団の人達はまだいなかった。訓練が長引いてるのだろうか、特別待つ義理もないし、午後にやる事もあるからと駐屯兵だけ先に食べることにした。
スープが美味しい、いい具合に野菜が煮込まれてて歯ごたえが良かった。
水分のないパンをスープと一緒に食べ終える。残った小さいリンゴを人齧る。
「あまい」
と思わず声が出てしまうぐらい、甘かった。
果物は酸っぱいものしか食べた事がなく、これも酸っぱいリンゴなのだと勝手に思っていた。
ほかの班員も甘い甘い美味い美味いと言いながらあっという間に胃袋に収めてしまっていた。
もっと味わって食べればいいのに、と思いながらもう一口齧ろうとしたがぴたりと手を止める。
こんな美味しいリンゴ、自分一人で食べるのは何だか忍びない。そうだ2号にも食べさせてやろう。
そう思ったら即行動で、食べ終えた食器を片付けると馬小屋へと向かった。
愛馬の小屋に行くと、自分を見るなりヒーンと鳴いてくれる。首を撫でると嬉しそうに蹄を地面にカツンかツンと弾かせた。
「今日はね、とても美味しいリンゴを貰ったんだ」
返事をまともに返してくれるわけではないが、よくこうやって言葉を投げかける。
2号は長いまつ毛を瞬かせながらフスンフスンとこちらを見てる。
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やし野(プロフ) - Levi〜*Hina*〜さん» コメントありがとうございます〜(´∇｀)もしかしたら暫くこの関係性が続くかも知れませんね(^-^; コツコツ更新していきたいと思うのでのんびり付き合ってやってください<(_ _)> (2018年3月31日 11時) (
レス) id: 9388de82eb (このIDを非表示/違反報告)
Levi〜*Hina*〜 - 更新停止気味(?)だったので心配してましたが、復活してよかったです！夢主くんと兵長との関係がモヤモヤする…>д< 続き楽しみに待ってます！頑張ってください^^ (2018年3月31日 2時) (レス) id: a4d7dc62f2 (このIDを非表示/違反報告)
tamanyan3291(プロフ) - この作品、とても面白かったので続編、待ちます！いつかモチベーションが上がることを期待して…… (2018年1月3日 2時) (レス) id: 57c704e0b9 (このIDを非表示/違反報告)
kagaminerenwaka(プロフ) - リヴァイさんや他の方との絡み、オリジナルの仲間達とどうなるか、楽しみにしながらモチベが上がるのを心待ちにしております。身体に気を付けて…。 (2017年12月27日 12時) (レス) id: 232289749e (このIDを非表示/違反報告)
高杉哉兎(プロフ) - この作品面白いのに残念です、いつか戻ってきてくれることを待っています (2017年12月27日 11時) (レス) id: 99d8ddd66b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やし野 | 作成日時：2017年12月26日 21時
