23話 ページ23
その言葉に、Aは口をつぐんでしまう。
確かに、あの時は、自分は生き生きとしていただろう。
肉を切ると、
血を見ると、
あの時の記憶が戻ってくるのだ。
お母様と過ごしたあの日々を。
「………喜んでもらってたんです」
「…？」
突然脈略の無い言葉にリヴァイは眉間にしわを寄せる。
「肉を切ると、お母様が褒めてくれた…」
リヴァイはAの言葉をじっと聞いている。集中しないと聞こえない声量だ。
「血が飛び散ると、僕の名前を呼んで…喜んで………」
首に切り込みを入れると鮮やかな血が勢いよく宙にとびだしてきた。
それがどれだけ身体に振りかかろうが知ったことではなかった。Aにとって周りからは歓声、気持ちの良いものだった。
「初めて巨人を削いだとき、仲間が喜んでくれた」
「それがあの日々を思い出させてくれて」
「目の前に現れた巨人を」
「何体も削いだ…」
「でも…お母様に褒めてもらわなきゃ…」
「まるで心が満たされなくて…」
「僕が求めてるものはもうそこにいなかった」
「でも、巨人を削ぐと心が少し楽になる気がして…」
Aはリヴァイの方を見ず、俯いていた。その言葉にはどんどん焦りが出て来たように速くなる。
「血肉を捌けない僕には価値が、なくて」
「………おい」
「アイツらが僕を地下街から…っ」
「おい、A」
「僕の存在意義が…！」
「A！」
ガッと肩を掴まれてAは顔を上げる。
我に返った様に顔を上げる、険しい表情のリヴァイがこちらを見詰めていた。
(今、僕はなにを…！)
今まで誰にも自分の過去を話した事はなかった。
「っ…今のは聞かなかった事にしてください！忘れてください！お願いします！！」
こんな薄暗い不気味な過去と自分の思想を他人に言ってしまった。
それどころかこんな考えを持ってる人間が兵士として認められるわけがない。
やってしまった。
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塩キャラメル(プロフ) - やし野さん» すみません！全然大丈夫です！! (2019年2月19日 22時) (
レス) id: 1b9a60cb94 (このIDを非表示/違反報告)
やし野(プロフ) - 塩キャラメルさん» その場のニュアンスで読んでいただけたら幸いです。無計画故の矛盾点が生じてしまい、申し訳ありません。詳しくは『Full 3』のお知らせにて記載しておりますので、宜しくお願いします。 (2019年2月12日 1時) (レス) id: da4ca0ab74 (このIDを非表示/違反報告)
やし野(プロフ) - 塩キャラメルさん» 感想、ご指摘頂き感謝します、修正させて頂きました。本作品は制作途中で年代設定を変更しておりますので、正しくは100期卒業になります。また年代変更により今後も年齢、登場人物等の矛盾が複数発生していますが→ (2019年2月12日 1時) (レス) id: da4ca0ab74 (このIDを非表示/違反報告)
塩キャラメル(プロフ) - 初めまして〜！とっても面白いです！何と言っても設定が凄く好みです！!こんな僕がご指摘と言ってはあれなんですが、訓練兵解散式の時、第100期?かな。。次の時に102期になってなせんか？ (2019年2月12日 0時) (レス) id: 1b9a60cb94 (このIDを非表示/違反報告)
やし野(プロフ) - ののさん» 初めまして！ののさんコメントありがとうございます。嬉しいお言葉までいただけてとても感激です…！！続編の方も何卒よろしくお願いします(*^_^*) (2017年12月24日 10時) (レス) id: f0cd2ef672 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やし野 | 作成日時：2017年12月17日 13時
