12話 ページ12
「ま…そ……人……ます…」
「あ？」
手を引いた血まみれの兵士、随分と小柄だ。声も思っていたより高い。
(女…？)
ても小さい、赤黒い髪の毛は肩まで伸びている。
「まだ、その人生きてます…ただ出血量が……」
負傷した兵士の事だとリヴァイは理解した。
「あの兵士は医療班に任せておけ」
「……」
その時、俯き気味だった兵士が顔を上げる。
赤黒い前髪の隙間から除いた眼に、リヴァイは息を飲んだ。
ギラギラとさせた瞳、そこには殺意と喜びが混じっているように感じた。
「ミィシェーレか！」
エルヴィンと話していた駐屯兵が駆け寄ってくる。
「はい…」
「現場はどうなってる」
「………巨人はまだ入ってきています…俺の仲間は全員食われました…途中で別行動をした兵士の死体がいくつかありました、前線がどんどん後退しています」
エルヴィンもAの言葉に耳を傾けている。
「そうか…よくやった、お前は一旦前線から」
「ください」
「？」
Aは言葉を遮った。
「ガスをください、もうありません、刃も補充したいです」
Aは立ち上がった。
そして見た目よりかは機敏に補充場へ歩き出す。
「まだいけるのか」
「はい」
駐屯兵の言葉にAは迷いなく返事をする。
そして補給班からガスを入れてもらった。
「あの兵士は？」
エルヴィンが駐屯兵団に問う。
「A・ミィシェーレ、首席で今期の訓練兵を卒業した者だ」
その言葉にエルヴィンはふむ、とAの後ろ姿を眺めた。
ガスを補給したAは再び戻ってくる。そして先程の連れてきた兵士に近付いたかと思うと操作装置をボンベ本体にある刃を当て、ガシャンとはめて引き抜いた。
「刃、いただきますね」
補給物資に刃が足りなかったらしい。
返事はまたずに兵士に背を向ける。
「あ……りが、とう……」
かすれた声で礼を言われた。
Aは反応せず壁を降りようとする。
「君」
Aはぴた、と止まる。
「はい…」
「一人で行くのは危険だ、我々調査兵団と行動を共にしてくれ」
「……了解です」
Aは立場上上官にあたるエルヴィンの指示に頷いた。
「リヴァイ、お前達の班にこの訓練兵を加えて行け」
「………分かった」
「主に巨人の駆逐にあたってくれ、マリアへの入口に近づけなければいい」
その言葉には返事はしなかった。
リヴァイはAの方を向く。
「おい、もう行けるんだな」
「はい、行けます」
Aはリヴァイ班と共に再び壁を降りた。
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塩キャラメル(プロフ) - やし野さん» すみません！全然大丈夫です！! (2019年2月19日 22時) (
レス) id: 1b9a60cb94 (このIDを非表示/違反報告)
やし野(プロフ) - 塩キャラメルさん» その場のニュアンスで読んでいただけたら幸いです。無計画故の矛盾点が生じてしまい、申し訳ありません。詳しくは『Full 3』のお知らせにて記載しておりますので、宜しくお願いします。 (2019年2月12日 1時) (レス) id: da4ca0ab74 (このIDを非表示/違反報告)
やし野(プロフ) - 塩キャラメルさん» 感想、ご指摘頂き感謝します、修正させて頂きました。本作品は制作途中で年代設定を変更しておりますので、正しくは100期卒業になります。また年代変更により今後も年齢、登場人物等の矛盾が複数発生していますが→ (2019年2月12日 1時) (レス) id: da4ca0ab74 (このIDを非表示/違反報告)
塩キャラメル(プロフ) - 初めまして〜！とっても面白いです！何と言っても設定が凄く好みです！!こんな僕がご指摘と言ってはあれなんですが、訓練兵解散式の時、第100期?かな。。次の時に102期になってなせんか？ (2019年2月12日 0時) (レス) id: 1b9a60cb94 (このIDを非表示/違反報告)
やし野(プロフ) - ののさん» 初めまして！ののさんコメントありがとうございます。嬉しいお言葉までいただけてとても感激です…！！続編の方も何卒よろしくお願いします(*^_^*) (2017年12月24日 10時) (レス) id: f0cd2ef672 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やし野 | 作成日時：2017年12月17日 13時
