11話 ページ11
一方、調査兵団本部。
「団長!ウォール・マリアのクィンタ区の壁が破壊され、巨人が侵入しています!!憲兵団本部から調査兵団の出陣が要請されました!」
伝達係の者が一思いに報告した。
「分かった」
短く冷静に応えた。
二日前に壁外調査から帰ってきていたためウォール・マリアの本部に主力が固まっていた。
調査兵団団長であるエルヴィン・スミス。
その場には人類最強といわれるリヴァイに、ハンジ・ゾエ、その他もろもろの熟練兵士がいた。
「ッチ、帰ってきたと思えばおちおち休んでもいられねえな」
不愉快そうにリヴァイが言う。
「今はそんなこと言ってもしょうがないよ、さ、早く彼らに会いに行こう」
変人と知られているハンジは楽しそうだ。
その言葉にリヴァイは返事はしないが大きな溜息を零した。
*
調査兵団は急いでクィンタ区に向かった。
住民の避難は完了していない、それどころかまだ半分以上がクィンタ区の中だ。
混乱が入り交じっているため速やかな避難が出来ていない。
エルヴィン達は壁に上り混雑を避けた。
奥には見慣れた巨人達がわらわらと入ってきている。
破壊された門に近付けば近付くほど巨人も多くなる、そして壁の上には負傷者が沢山いた。中には、亡くなってる者もいた。
「状況は?」
エルヴィンが駐屯兵団に訊ねる。
彼らとのやり取りを他にリヴァイはクィンタ区を眺めた。
巨人と兵士が戦っている。中にはもう既に口に放り込まれてしまった者達がいる。
リヴァイは舌打ちをするとエルヴィンに声をかける。
「おい、要は避難完了まで巨人ども削げはいいんだろう」
エルヴィンはリヴァイの方へと視線を向ける。
「俺はもう行くぞ」
と壁を降りようとした途端、アンカーが壁に引っかかってきた。
「!」
ギュィィとワイヤーが巻かれる音がする。
巻ききった金具音と共に操作装置を握った手が壁の淵を掴んだ。
一番近くにいたリヴァイがすぐに駆け寄り、その手を掴んだ。
重い、これは体一人分の重さではない。
手を引いた者のもう片方の腕にはぐったりと力の抜けた駐屯兵団が抱えられていた。
引き上げた兵士の制服には訓練兵の勲章。
もう一人の調査兵が訓練兵の腕に抱えられている兵士を引き受ける。
リヴァイは訓練兵を引き上げる。服も髪の毛にもたくさんの血液が付いていた。蒸発しているあたり、巨人のも血液だろう。
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塩キャラメル(プロフ) - やし野さん» すみません!全然大丈夫です!! (2019年2月19日 22時) (レス) id: 1b9a60cb94 (このIDを非表示/違反報告)
やし野(プロフ) - 塩キャラメルさん» その場のニュアンスで読んでいただけたら幸いです。無計画故の矛盾点が生じてしまい、申し訳ありません。詳しくは『Full 3』のお知らせにて記載しておりますので、宜しくお願いします。 (2019年2月12日 1時) (レス) id: da4ca0ab74 (このIDを非表示/違反報告)
やし野(プロフ) - 塩キャラメルさん» 感想、ご指摘頂き感謝します、修正させて頂きました。本作品は制作途中で年代設定を変更しておりますので、正しくは100期卒業になります。また年代変更により今後も年齢、登場人物等の矛盾が複数発生していますが→ (2019年2月12日 1時) (レス) id: da4ca0ab74 (このIDを非表示/違反報告)
塩キャラメル(プロフ) - 初めまして〜!とっても面白いです!何と言っても設定が凄く好みです!!こんな僕がご指摘と言ってはあれなんですが、訓練兵解散式の時、第100期?かな。。次の時に102期になってなせんか? (2019年2月12日 0時) (レス) id: 1b9a60cb94 (このIDを非表示/違反報告)
やし野(プロフ) - ののさん» 初めまして!ののさんコメントありがとうございます。嬉しいお言葉までいただけてとても感激です…!!続編の方も何卒よろしくお願いします(*^_^*) (2017年12月24日 10時) (レス) id: f0cd2ef672 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:やし野 | 作成日時:2017年12月17日 13時