幼なじみたちの恋を応援したいと思う。【アオのハコ】

▽　1人で平気だもん、 ページ29

＊




練習がしんどいときは同士のことを思い出したりして、自分と同じくらい頑張ってる人がいるって励ましたりして、2人はそういう関係なんだろうな。



なんて思いながら体育館に戻る。

私にはAたちもいるし、別に2人が同士だからって…。



バド部の練習に目を向けて、Aを探す。

離れたところにいたAを見つけて駆け寄ろうとするけど、その足は止まってしまった。


「もうちょっと手首を使ってさ…」

『えぇーっ、こんな感じ？』

「違う、こうだってば」


私の視線の先ではAと匡くんが笑いながら練習していた。



Aってこんなに楽しそうに部活してたっけ。

匡くんってあんな風に笑うっけ。



もしかして1人で戦ってるのは私だけ、？


「……え、？」


なぜか私は涙をこぼしていた。

そのことに自分自身が驚く。



何泣いてるんだ、私。
いかんいかん、大会前でナイーブになってるな。



私はシャツの袖で涙を拭う。

私は1人で戦わないと。１人で平気だもん。



.



Aside



カタンッ


そんな音がネットの奥から聞こえる。

気になって振り返ると雛がリボンを落としていた


「またミス…？最近多いよね」


そんな女の子たちの声が聞こえる


「いやー、実はドラマ見てたら寝不足ぎみで…！」


…多分違う、けどなんでだろう。


「調子悪そうだな、めずらしい」


大喜と匡も休憩しながら雛を見ていた。

たまたま目の合ったらしい大喜が手を振るも、フイッと雛は目を逸らした。


なるほど、大喜関連か。


「え、あれめちゃくちゃ調子悪いって！」


確かにいつもの雛なら、閲覧料を要求してきたりするのに


「もしくはお前に怒ってるか」

『無意識に大喜、何かやったんじゃない？』

「え、!?」

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