幼なじみたちの恋を応援したいと思う。【アオのハコ】

▽　俺とデートしたい？ ページ25

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シングルス地区予選当日



勝手に決まってしまった千夏の連絡先をかけた予選での勝負。

最初に大喜と岸のゲームがあるため、観客席では針生、西田、匡、そしてAが集まってそれを見ていた。


「白熱してるなぁ」


２人のあいこが続くサーブ権のじゃんけんを見ながら針生は面白そうに笑う


「というか針生先輩、変な勝負仕掛けたらしいですね」

『あぁ、千夏先輩の連絡先懸かってるんだよね』


Aは自分の連絡先も懸かっているだなんて夢にも思ってないだろう


「大丈夫、本人たちが嫌がったら教えないから。
あ、A。あの勝負お前の連絡先も懸かってるぜ」

『はい…!?』


驚いたような顔でAは針生に目を向ける


「自販機で10円あげたって聞いたけど」


Aはこの時初めて、彼が自販機で会った人だと気づいたようだった。


急いでいたから顔までは見ていなかったと話すA。
それを聞きながら面白そうに戦いを見守る針生。


そこに女バスが合流した。


入れ替わるように自分の試合に向かう匡が、"大喜が勝ったら水族館"と千夏に交渉しているのを聞きながらAは針生をチラリと見る。


『先輩、私には何かないんですか？』


大喜にはデートがあるのにー、と冗談めかして言うA。


「なに？俺とデートしたい？笑」


こちらも冗談を言って笑う。


それを見た西田は、「針生とAがデートの約束してる…！」と騒いで針生に絞められた。



【試合番号XX番＿＿＿＿】



その放送に反応したのはAだった。


『そろそろ私の試合ですし行ってきますね』


大喜終わったら見に行くわー、と何人かが返す。

その声に答えながらAは長い髪を結って離れていった。

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