【安室透】運命のキミ。

同じ言葉 ページ19

降りしきる雨の中、黙って聞いていてくれた安室さんが口を開いた。


「僕は前にAさんが好きだと言いましたよね？」

「…？はい」


「…言いたくないことは言わなくていいんですよ。
ただそれを見てるのが辛いんです。だから僕のそばにいてくれませんか？」


告白ともとれるセリフ。


何も言わず隠している私、すがろうとしている私に…



「…！私も安室さんが好きです…ごめんなさい…何も言えなくて」



お互い好きな気持ちは変わらない。


でもこんなのはおかしい。




わかっているのに。





「同じ気持ちなんですよね？」

「はい…」


返事をすると安室さんの顔が近づいてくる。


そのまま私はキスを受け入れた。



「Aさんが言えるようになるまで待っています」


前と同じ言葉に申し訳なくなりつつも、私は素直に嬉しかった。

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