【安室透】運命のキミ。

雨 ページ18

「はぁはぁ…」

しばらく走っていると疲れて崩れるようにしゃがんだ。


「私のバカ…安室さんは悪くないのに」


黙って出てきてしまったことを後悔する。


でもそれ以上に苦しくてその場に泣き崩れた。


「…！？」

「Aさん」

ふいに雨が当たらなくなり振り返ると、安室さんが傘を私に向けて立っていた。


「え…安室さん…？」

「あなたが心配だったので」


安室さんはまっすぐに私を見つめてくる。


この人はなんて優しい人だろう。



「何か悩んでいることがあれば何でも言ってくださいね」

「っ…」


どうしてもすがりたくなる。


もし全てを話したら。



どれだけ楽になれるのだろう。



「安室さん…！」

私は安室さんに抱きついた。


その衝撃で傘が落ちてしまったが気にしない。



「あ、あの…私＿＿」

言いかけるも、次の言葉がでてこない。


「その…言えないんですけど、それが苦しくて辛くて…」

「…」


私はそのまま何も言えなくなってしまった。

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