泣けよ。[K.Nakajima]

fourty-four ページ44

.





☆健人Side☆




聡のおいしい朝ごはんを、
俺の分と、アイツの分を食べて、学校へ行く。






「健人くん、おはようっ!!/////」





朝から真っ赤な顔して挨拶される。





「おはよ！☆」




あ、今の俺、笑顔引きつってないかな、
なんて考えたり。





玄関について内ばきに履きかえてると、







「ヤ って。」



「りょーかーい」



「ちょ、!!離してっ!!」



「イーヤーダー」





何やら混雑してる玄関。



言ってる言葉と、抵抗する声で、
大体アイツがまた、何かされていると分かる。






「あっ、…………」



「？？？？」





一瞬、俺は、アイツと目が合った。




体つきの良い男２人に両腕を持たれ、
内ばきの踵で地面を擦れられながら、引っ張られていた。



後ろには、

”滅茶苦茶にしてやって”

なんて支持出している女。


”りょーかい”

なんて体中に香水をつけてる男。






「あぁ。」





これを見ただけで大抵アイツが何されるか想像できる。




そして一瞬目が合ったアイツの顔がフラッシュバックする。





泣きそうで、悲しそうで、

でも、どこか強張っていて。






なんか俺、期待されてないのかなーって思う。






中島健人をナメんなよ。




女一人くらい、助けてやってもいいだろ？



自分にそう言い聞かせ、

声を張りつづけるアイツを追いかけた。






.

fourty-five→←forty-three

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す