storia6-2 〃 ページ29
.
「ここは……。」
ゆっくりと体を起こす。
私が寝ていたのは、天涯がついたベッド。
周りを見渡せば、紫と黒、白の家具で彩られた部屋。
あれ。
確かプルーマの音楽祭に出て……凛月達召集して……。
「う゛っ。」
頭が痛い。
部屋を見渡すと、窓があったので覗いてみる。
「うわ。」
森だ。
霧がかっていてよくわからないけど。
けれど。
ここに居てはいけない。
私の本能がそう言っていた。
すぐに部屋の扉を開け、床に敷いてある赤い絨毯に沿って駆け出す。
彼らは何処？
レオは？
泉は？
凛月は？
嵐は？
司は？
近くに居るなら探さなきゃ……。
「うわっ！」
「すまんすまん前見てへんかっ……あれ。
君なんでここに居るん？
部屋で寝てるんやないん？」
廊下の角でぶつかってしりもちをついた私を覗き込む水色と黄色の瞳。
「逃げ出したんやらアカンなぁ……。
それならもう一度」
肩に置かれた手を振り払い、反対側に駆け出す。
「あ、ちょ！待ちぃや！
お師匠さん！大ピンチやお師匠さん！」
何処か安全な場所は無いのか。
後ろから足音がばたばたと聞こえる。
追い付かれるのは多分時間の問題。
そうだ。
とりあえずあの部屋に入ってやり過ごそう。
角を曲がった先にある部屋のノブを勢いよく回し、中に滑り込む。
私を追いかけていた足音は部屋の前を通りすぎ、やがて聞こえなくなった。
……よし。まけたか。
あとは部屋から出て逆方向に……。
「オネエサン、ダアレ？」
突然声が部屋の中に響き渡った。
「イッショニアソボウ。オネエサン。」
声の主を探して下を向けば、いつの間にか足元に人形が置いてあった。
「アソボウアソボウアソボウアソボウアソボウアソボウアソボウアソボウ……」
突然人形が狂ったように『アソボウ』と言い始める。
正直気味が悪い。
とりあえず外に出て……『アソボウ』助け『アソボウ』を……『アソボウ』。
だめだっ……頭が……。
「全く。影片が逃げられたと言うからどんな奴かと思ったら、こんな子鼠とは。」
後ろに人の気配を感じ、咄嗟に振り向く。
背の高い男の人が、座り込んだ私を見下ろしていた。
storia6-3 〃→←storia6-1 桜が散る夜、薫る花
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 162人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「あんスタ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
玲乃音(プロフ) - フォンテインさん» お帰りなさい！！ 待ってました！あんスタの続きも楽しみに待ってました！ (2020年1月5日 17時) (
レス) id: 02b3e189b5 (このIDを非表示/違反報告)
フォンテイン(プロフ) - *神*威*さん» 読んでくださりありがとうございます！m(__)m更新頑張らせていただきます！ (2017年10月10日 6時) (携帯から) (レス) id: f1eeea7ade (このIDを非表示/違反報告)
*神*威* - 最初から何度も読ませていただきました！一人一人の個性(?)がいいと思います！とても読んでいてワクワクするので、これからも更新頑張って下さい(*- -)(*_ _)ﾍﾟｺﾘ (2017年10月9日 23時) (レス) id: 662403215f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
