通知表 ページ35
終業式が終わりクラスへ戻ると、アコーディオンの如き過剰しおりが待ち受けていた。
｢これでも足りないぐらいです！ 夏の誘惑は枚挙にいとまがありませんから｣
ぶつくさ言う殺せんせーに、鈍器──もとい、夏休みのしおりを渡される。
はて、これをどうやって持ち帰ると言うのだろう。
新手の拷問か。
(いや…これは本気で拷問として使えるかも)
重さを100倍くらいにして針だ何だをくっつければ──
｢さて、これより夏休みに入るわけですが、皆さんにはメインイベントがありますねぇ｣
いつの間にか仕事モードになっていた思考を、殺せんせーの楽しげな声が遮る。
｢あぁ、賭けで奪った“コレ”のことね｣
見ると、中村が、椚ヶ丘中学校のパンフレットをひらひらと降っている。
そういえば──賭けで何を奪ったのかは聞いていなかった。
｢本来は成績優秀クラス…つまりＡ組に与えられるはずだった特権ですが──今回の期末は、トップ50のほとんどを、Ａ組とＥ組で独占している。君たちにだってもらう資格は充分あります｣
首を傾げているAに気付き、隣の席のカルマが、ニヤリと笑いながら、開いたパンフレットを此方に渡す。
思わずあっと声をあげた。
｢夏休み!! 椚ヶ丘中学校特別夏期講習!!｣
そのページにでかでかと貼られた、沖縄の写真。
｢沖縄離島リゾート2泊3日!!｣
皆が歓声をあげる中で、殺せんせーは嬉しげな笑みと共に、皆は侮れない生徒になったと告げた。
｢親御さんのに見せる通知表は先ほど渡しました。これは、
殺せんせーは手元の紙に、マッハで何かを書き込む。
教室中を満たしたそれには、大きな二重丸が描かれていた。
｢暗殺教室、基礎の一学期──これにて終了!!｣
｢すいません…待ちましたか？｣
｢いや、大丈夫──僕も今来た所だ｣
Aは、本校舎前で立っていた浅野に駆け寄り、小さく頭を下げる。
今は終業式の帰り。
殺せんせーから通知表を受け取った後、浅野から｢一緒に帰らないか｣とメールが来たのだ。
普段Ｅ組は、暗殺訓練があるため、Ａ組よりも下校が遅い。
表向きには、Ｅ組は勉強が遅れているため、時間割が本校舎とは違うという事になっている。
浅野はそれを知っていたのだろう、今まで誘いの連絡が来ることは無く、一緒に帰るのはこれが初めてだった。
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レズア - 面白くて一気読みしました！更新待ってます！頑張ってください！ (2020年3月26日 21時) (
レス) id: 992ebf245b (このIDを非表示/違反報告)
みなと - 初めまして、狐火さん。話の切り替え方なども読みやすく分かりやすいので、一気読みしてしまいました。キャラクターのブレはあまり無いように私は思いますし、心情の描写もとても綺麗ですね。尊敬します。無理せず、気が向いたらまた更新してくださると嬉しいです。 (2019年11月28日 16時) (レス) id: aa9b91acbd (このIDを非表示/違反報告)
瑠奈 - あと業の口調「___だよ〜〜〜」のような口調です。少し女性のような口調です。けれど、「〜なのよ」の口調では、ないので気を付けて下さい (2019年1月20日 23時) (レス) id: d6d929f7e2 (このIDを非表示/違反報告)
瑠奈 - 私あんまり、鬼灯の冷徹分からないので「」の上にキャラの名前の一部を付けてくださいますか？（例）赤羽「」みたいに。あくまで私自身の個人意見です。 (2019年1月20日 23時) (レス) id: d6d929f7e2 (このIDを非表示/違反報告)
猫かぶり少女(プロフ) - 初めまして！めっちゃ面白いです！続きめっちゃ気になります！更新頑張ってください！ (2018年11月18日 22時) (レス) id: b0408dc810 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：狐火 | 作成日時：2017年4月11日 17時
