RED【LDH】 (ページ36)

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-健太 side-

息を切らしながら扉を開けると､スヤスヤと気持ち良さそうに眠っているAがいた。

足にはギブスがはめられ､頭には包帯が巻かれている。

健太｢バカ､ステージから落ちるなんてAらしくない｣

昨晩､俺が仕事を終えてスマホを確認すると､亜嵐さんから3件の着信と1件のメッセージ。

白濱亜嵐すぐかけ直せ

いつものフランクな亜嵐さんとは思えない文面にただ事ではないと察した俺は慌てて亜嵐さんに電話をかけた。

そこで聞いた､Aがステージから落ちて病院に運ばれた､命に別状はないが未だ目を覚ましていないという事実。

何を言ってるのか分からなかった､そんなわけない､嘘だって思ったけど､身体は勝手に動いていて､

マネージャーに事情を説明して明日の予定を変更してもらい､朝一の新幹線のチケットを取った。

大阪に着くまでが酷く長く感じた。

健太｢早く起きてよ､言い返してくれないとつまんないよ｣

どんなに嫌味を言っても眠っているAが言い返してくるわけもなかった。

Aの髪を撫でてあげる。

こんな風にAに優しくしたのなんて初めてかもしれない。

自分のことを人に言わないAの脆さにその時初めて気づいた。

マネージャーには大阪にいていいのは3日だけだと言われた。

その間にAが起きるかは分からないけど､メンバーに迷惑をかけるわけにはいかない。

そして結局､3日経ってもAは目を覚まさなかった。

ずっと側に居てやれないことを悔しく思ったけれど､マネージャーが付き添いは必ず誰かつくようにお願いしてるから安心しろって言ってきた。

ソワソワしながらも俺は東京に戻ることしか出来なかった。

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